フリーアナウンサー

小笠原 聖

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人見知りアナの鉄日記⑤(最終回)

カテゴリー:小笠原聖のふりーとーく 鉄道のハナシ

 

 

 

お盆休み明けの月曜日の朝8時前。さぞや列車も混んでいると思ったら

意外と空いていた。3両編成の普通列車で信濃大町へ向かう。

車両は211系。少し前まで、関東の東海道線や高崎線・宇都宮線でも

走っていた車両である。

 

色も変わり、編成も短くなり、ドアの横に押しボタンも付き・・・、

変わったところも多いが、シューというドアの開閉音は独特だ。

信濃大町までの約1時間。いつもなら左手に広がる北アルプスの絶景を

存分に楽しみながら行くが、外は雨。さすがに景色は楽しめない。

ロングシートの端に座って何気なく車内を見渡していたら、いつの間にか寝ていた。

 

信濃大町の駅前に立つと、雨は強まっていた。

仕方ない。

覚悟を決めて、折りたたみ傘を広げる。

 

バキッ。

 

えっ?!マジで?!

 

このタイミングで傘の骨が折れた。

広がった傘が、半分だけ力なくしぼんでゆく。

 

帰れって事ですか?

本気で悩む。

 

駅の前の屋根の下を、20分ほど行ったり来たりした。

 

おそらく止まっていたタクシーの運転手は、僕を怪しい人と思っただろう。

 

結局、売店で700円の傘を買って、お墓参り。

折り畳みの傘は無し。

荷物が増えてしまった。トホホ。

 

でも、ここまで来ると、自分が試されているような気がしてくる。

体の半分近くが濡れながら、20分ほど歩いてお寺に到着。

お墓の周りの剪定は、お寺の方がしてくれていました。

 

その事のお礼をして、お土産を渡し、大急ぎでお墓参り完了。

あまりの雨で、ろうそくも線香も出番無し。

ご先祖様、ごめんなさい。

 

それでも、ここまで来た事で自分を褒めたい気持ちになった。

 

さ~てと、ゆっくり帰りますか。

 

信濃大町駅に戻る。

あとは、ひたすら鈍行を乗り継いで、東京まで帰るだけである。

 

あっ、言い忘れましたが、2日続けて青春18きっぷ使ってます。

当然です。

 

時刻表で次の列車の時間を見る。

1時間10分後?!けっこう空くんですね。

 

そんな事調べておけよ、と思われるかもしれないが、

こういう行き当たりばったりの旅が出来るのは、贅沢だと思いませんか。

 

時間に追われる生活をしていると、半日でも1日でも、

こういうのんびりしたペースで生きたいのです。

 

その弊害として、こうやって1時間のロスも起きますが。

 

待合室で座って待つ。

やけに人が多い。しかも、大きなリュックを背負っている。

 

きっと登山客なのだろう。ここ信濃大町は、立山黒部アルペンルートの

長野側の玄関口である。駅前から黒部方面へのバスが出ているのだ。

 

すぐに黒部行きのバスが駅前のロータリーに入ってきた。

しかし、待合室の人は動かない。

 

という事は、みんな帰り客なの?

 

嫌な予感がした。

つまり、僕と同じ方向に帰るって事?

 

改めて周りを見回す。既に登山客は50人以上いる。

不安になって、駅員さんに確認する。

 

「次の松本行きって何両ですか?」

「え~っと、次は・・・2両ですね。」

やっぱり。

「次って、信濃大町始発じゃないですよね?」

「そうですね。南小谷から来ます。」

 

もっと北から登山客を乗せて来る、たった2両の列車に、

ここで50人以上が乗る。しかも、まだ1時間近く、人が溜まってくる。

 

なんだよぉ。

この旅で1番の嘆きです。

 

一瞬、長野行きのバスでここを脱出しようかと考える。

でも、バスには青春18きっぷは使えない。

別料金を払ったら、僕の負けだ。

 

そして、予想通り、松本までの1時間は地獄だった。

東京に住んでいて、通勤ラッシュの辛さは知っているが、

混雑率は負けていなかったと思う。

 

ただ、通勤と違うのは、多くの人がリュックを持っていること。

そして登山客の多くは仲間で、中には登山を終えて待ち時間に飲んでいること。

 

辛かった。

 

黙ってひたすら、運転席の後ろに立ち続けていたが、

何度酔っ払った登山客の荷物が、僕の頬にギューっと迫った事だろう。

そして、うるさい。どこにそんな力が余っているのか。

 

松本までの1時間が3時間に感じた。

 

長かった。

やっと松本に戻ってきた。

 

あのうるさい登山客は、きっと特急「あずさ」に乗り換えて

新宿へ向かうのだろう。僕は鈍行の旅。ここでお別れだ。

でも、こちらも余裕があるわけでは無い。30分の乗り換え時間で

昼食に立ち食いそばを食べ、お土産を買って、小淵沢行きの普通列車を待つ。

 

ここの駅そばは、僕は日本一だと思っている。

最近は、茹で時間3分の生そば「特上そば」もある。

 

お気に入りは、山菜そばや、野沢菜葉わさびそば。

塩気や辛味と、そばが実に合う。

 

でも、今日は違う気分で、と鴨そばを注文。

初めて食べてみたが・・・思ったほどの感動は無し。

次回からは、いつもの山菜そばにしよう。

 

きっと、さっきの列車の中で僕のセンサーが壊れたのだ。

瞬時にそばの種類を選ぶセンサー。

今まで外れた事は無かったのに。

 

どうでも良い事を考えながら、小淵沢行きに乗り込む。

あれっ?見覚えのある大きなリュックサック。

 

そして聞き覚えのある笑い声。

 

ウソでしょ?

 

慌てて、隣りの車両へ。

さっきの登山客は、同じ列車に乗り継いでいた。

 

まさか。

 

青春18きっぷで登山?!

どれだけ元気なんだ。

 

そもそも、意味が分からない。

そこまで、こっちのテリトリーに侵入されるのは困る。

 

ただ救いだったのは、列車の両数が3両あったこと。

そして、人の数も半分ほどに減っていたこと。

僕も隣りの車両へ移って、座ることが出来た。

 

ほっとしたのか、すぐに寝てしまった。

約24時間ぶりの小淵沢で乗り換え。

 

あとは、高尾行きの普通列車に乗る。

終点まで行けば、ゴールは目前だ。

 

 

雨が降るホームに、折り返しの列車が入ってきた。

中からドッと人が降りる。

 

みんなリュックを持っている。

日本人の登山人口って、すごいんですね。

 

この列車は東京方面から来たので、これから登山に向かう人たちだ。

足早に小海線に乗り換えて行った。

 

ここからの普通列車は6両編成。

ようやく、ゆったりと席を確保できるようになった。

 

そういえば、あのうるさい人たちの姿は無い。

どこかで降りたのか。

 

雨の影響か、少し列車が遅れて着いたようで、

すぐに乗務員が交代して、出発をしようとしている。

 

おもむろに、すぐ上の網棚を見ると、ピンクのDバックが置いてある。

おそらく、ここまで来る時に乗っていた人が忘れたのだろう。

 

一瞬考えて、車掌室に向かう。

ここで降ろさなかったら、列車は再び東京方面に戻るのだ。

 

今だったら、落とし主は、まだ駅にいるかもしれない。

 

車掌室のドアをコンコンとたたく。落し物があるんですけど、と伝えると

中年の車掌さんは「え~?はいはい、分かりました。後でね・・・。」

 

不機嫌そうだった。

凹んだ。

 

相手の気持ちも分かる。車掌さんとしては、遅れている列車を早く出発させたい。

そこに乗客が来た。対応したせいで、30秒くらいはロスしただろう。

 

でも、こちらにも、こちらなりの考えがあっての行動だった。

 

僕の向かいに座っている男性は、黙ってこっちを見ている。

あの人、何でさっき後ろの方へ行ったんだろう・・・という目をしている。

 

出来る事なら、説明したい。

こんな事があって、今僕は凹んでいるんだ、と。

 

そんな事を知らない男性は、ビニール袋の中から小さなボトルを取り出した。

一緒に出した小さなプラスチックのコップに注いで、ちびちび飲んでいる。

 

ワインだ。

 

しかもロングシートの端にある手すりの隙間に、コップを上手く置いて、

つまみのチーズを食べている。

 

プロだ。

間違い無い。

 

青春18きっぷのプロだ。

 

僕はすっかり感心してしまった。

青春18きっぷを使って中央本線を旅する答えを、

今目の前で教えられたような気がした。

 

あ~、出来るなら松本駅に戻ってやり直したい。

そんな事を気付かせてくれた、目の前の人に感謝したい気持ちだった。

結局、列車は落し物を乗せたまま、小淵沢を出た。

1つ目の駅を出たところで、さっきの車掌さんがやってきた。

 

僕が網棚の上を指差すと、

「あ~、これね。誰も言って来なかったら、甲府で降ろしますから。

多いんですよね~。この時期、大きな荷物を置いたまま乗り換えちゃう人。

いや~、助かりました。ありがとうございます!!」

 

車掌さんは、さっきと別人のような笑顔で車掌室へと戻って行った。

 

良かった。

僕の行動は間違いでは無かった。

 

間違っていない事は分かっていたけど、やっと落ち着けた。

 

車掌さんも忙しかったのだ。

そんな中で、温かく対応してくれてありがとう。

 

目の前の男性も「そうだったのか」という表情で、2杯目のワインを注いでいる。

 

 

全てが解決した気がした。

誰にも気付かれずに、勝手にしていた葛藤が納まった気がした。

 

外は雨が降り続いている。

急に睡魔が襲ってきた。我慢なんてしない。

 

ワインを飲んでいるつもりになって、僕は揺れの中で眠りについた。【おわり】

人見知りアナの鉄日記④

カテゴリー:小笠原聖のふりーとーく 鉄道のハナシ

 

ホテルに荷物を置きに行くのも面倒くさい。

とにかく晩ご飯じゃ。

 

 

駅前をふらつく。

店を選ぶのは楽しくもあるけど、不安もある。

 

 

気が弱いので、1人で入れる店が少ないのです。

36歳の男なんだから、居酒屋でもどこでも入れるのだが、

いつもドキドキしてしまう。

 

松本の夜に1人で店を探した事は、かれこれ10回はあるだろうか。

居酒屋のようなところに入った事は一度も無い。

 

 

同じ松本で仕事をしている仲間がオススメしていた焼鳥店を見つけた。

東京にも系列の店はあるので珍しくは無いのだけど、まあ良いか。

 

入り口から中を覗くと・・・こ、混んでる。

 

 

たちまちUターン。

 

周りを見渡すと、まだまだ居酒屋はある。

 

おしゃれなイタリアン、焼き肉、大衆チェーン店。

 

更にカレー屋、牛丼屋、コンビニ・・・。

 

まさか、って思うでしょ?

でも選択肢には入るんです。

 

この街では無いけど、

旅先でカレー屋にも牛丼屋にも入った事はあります。

 

松本に来たのに、コンビニのおにぎりで済ませた事もあります。

 

はぁ~、情けない。

 

重い荷物が気持ちを萎えさせるのかな・・・。

 

一度ホテルに戻るか。

あれっ?そういえば、ホテルの1階の居酒屋、

ラストオーダーが11時ってなっていたなぁ。

 

外の店に入るよりは気が楽かも。

どうせ何品も頼まないから、お酒をおつまみと締めのご飯をいっぺんに頼んで。

 

 

・・・決めた。

 

大股&早歩きでホテルへ向かう。

 

 

キャバクラの客引きが、次々に声をかけてくる。

そりゃ、そうだよな。

男が1人、半袖のワイシャツで大きな荷物を持っていたら

どう考えても遠くから仕事で来たと思われる。

 

こんな時くらいハメを外して・・・なんて思いそうなものだ。

 

僕に近付いてくる。

「お兄さ~ん、お店お決まりですか?」

 

聞こえそうな鼻息を立てて、僕が横切る。

相手の靴を踏みそうな勢いに、相手がひるむのが分かる。

 

すみませんね、お兄さん。

声をかけた相手が悪かったよ。

僕は腹が減っているんだ。

キャバクラに僕のお腹を満たすものは無いんだ。

 

そもそも、キャバクラに払う余分な金があったら

青春18きっぷで旅なんかしない。

・・・別に節約のためだけでも無いけど。

 

 

でも、僕は腹が減っているんだ。

バスに乗るのに待たされたんだ。

乗ったバスの運転手が道を知らなかったんだ。

 

たぶん僕を無理に止めたら、このストレスを全部キミにぶちまけるぞ。

 

 

あっという間に繁華街を抜け、ホテルの近くまで来た。

 

 

「ホルモン」

 

 

ちょうちんの文字が目に入った。

 

 

ホテルのすぐ隣り。

こんな店あったっけ?

 

気にした事が無かった。

 

 

でも1人焼き肉はなぁ。居酒屋でも入れなかったのに。

 

店の前まで行ってみる。

「松本ホルモン」

店の名前に地名が着くだけで、少し興味が湧く。

 

例によって、外から様子を伺う。

店が2階や地下なら、ちょっとハードルが上がるな。

 

中の様子が見えた。

カウンターだけの席が10席くらい。

焼き肉屋というより、バーのような佇まい。

 

そのカウンターの上に1人サイズの網が置いてある。

最近流行りの「1人焼肉」みたいだ。

テレビで見たのとは、この店の雰囲気は全然違うけど。

 

奥の席で男性が一人で何か食べている。客は1人のようだ。

メガネをかけたママさんが1人で切り盛りしているようだ。

 

もう店じまいだったら悪いな。

ドアを見る。「OPEN」の札は確かにかかっている。

 

10分くらい考えた。

よし!旅の恥はかき捨てじゃ!

思い切って、ドアを押す。

 

「いらっしゃいませ~」。

ママさんの声と共に、座っていた男性の声がハモって僕に返ってくる。

 

出た。

 

そのパターンか。

 

じゃあ、客は僕1人じゃん。

でもママさんの声の感じからして、まだ閉店までは時間があったようだ。

 

入ってしまうと、少し気が楽になる。

 

カウンターの真ん中から、少し入り口寄りに座る。

まずはビール。

 

せっかくだから、ホルモン屋らしいものを食べたい。

「ハツと、上ミノと、ハラミをお願いします。」

 

これで、後でビールのおかわりかご飯を頼めば充分だろう。

 

「ごめんなさ~い、ハツと上ミノは終わっちゃったんです。」

ガ~ン!!2/3ってかなりの不運だぞ。

 

実はほとんどのメニューが無かったりして。

 

「今無いのは、ハツと上ミノと・・・」

あと3つくらい言ってくれたけど、覚えていない。

 

肉のメニューは30種類くらいあるから、何とかなりそう。

僕はグルメじゃないので、「○○が無いならいいです。また来ます。」という事は

めったにしない。

 

でも、今年松本に来た時に同じような事があった。

 

その時は、長野らしいものがとにかく食べたくて、

最低でも馬刺しか、名物の山賊焼き(鶏の竜田揚げのようなもの)が食べたかった。

今日と同じように居酒屋にトライしようとしたが、

20分くらいグルグルしたあとに諦めた。

 

結局、駅前にあったカウンターだけの、飲めそうなうどん屋に入った。

外から「山賊焼」の文字が見えたから。

 

ビールと山賊焼を頼んだら、

「ごめんなさ~い!山賊焼だけ終わっちゃったんです。」

 

どうやら、僕は松本の名物に縁が無いようである。

 

まぁ、試合が終わって遅い時間になっている事もある。

それに1人で居酒屋に入れれば何の問題も無いんだけど・・・。

 

そんな事を考えていたら、ビールが出てきた。

肉は、ガツ・ハラミ・テッポウを注文。

 

ふぅ、一安心。

なんで晩ご飯食べるだけで、こんなに疲れるんだ。

 

ビールを置くと、ママさんはおもむろにホルモンの準備を始める。

それぞれ味付けも違うけど、大きな1人分のお皿に乗せてくれる。

 

ガス管が繋がった1人用サイズの網に火が入る。

お~!!何だかテンションが上がってきた。

記念すべき、初・1人焼肉。

 

あとは、ひたすら無我夢中で焼き、食べた。

ママさんは、必要な物を出したら、カウンターの一番向こうで

テレビを見ながら、さっきの男性とああだこうだ話している。

 

良かった。

こっちも気楽に食べられる。

 

こういう時、気を遣って僕の話し相手をしてくれようとするんだけど、

僕はこういう方が好き。

だって、ずっと前にいられると、こっちも気を遣って焼肉の味が分からなくなるから。

 

焼く、飲む。遠くからテレビを見る。

 

ビールを飲み終えたところで、焼肉がまだ半分以上残っている。

ビールをお代わりするか、ご飯を頼むか。

10分迷ってご飯とキムチを注文。

 

ママさんが「えっ?もうビール終わり?」っていうリアクションをしないか

すごく心配だったけど、全く無かった。感謝。

 

でも、運ばれてきたキムチが想像以上に多くて、ご飯とのバランスが合わない。

 

結局遅れて2杯目のビールも注文。

ホルモン、ご飯、キムチ、ビールの夢のコラボレーションを満喫。

 

結局、帰るまでママさんは余計な事を何も言わなかった。

人見知りには、一番の接客でした。感謝。

 

お礼に精一杯の気持ちを込めて

「美味しかったです。」と言って出てきた。

 

ホテルに戻って部屋に荷物を置いたら、2分後には大浴場へ。

大浴場と言っても5人入ればいっぱいになる湯舟。

でも、誰もいなかったので貸切状態。

 

部屋に入ったら、30分もしないうちに眠りに落ちていた。

 

翌・8月17日月曜日。

6時20分に起床。全ては計算通り。

 

7時48分発の信濃大町行きで出発する予定。

そのためには、7時からホテルの朝食を食べたい。

気ぜわしいのは嫌だ。

でも、せっかく泊まったんだから、朝風呂も。

欲張りな私です。

果たして、朝風呂も貸切状態であった。

5人分の風呂を独占。

 

意気揚々と部屋に戻り、カーテンを開けると・・・雨。

しかも本降り。雨の音が聞こえるくらい。

 

なんだよぉ。

これから信濃大町で先祖の墓参りをするのである。

お墓をきれいにして、お参りをして、

そして、もう1つのミッション。

 

以前行った時に気になっていた、隣りのお墓との間に茂った枝を切る。

 

そのために剪定ばさみまで持ってきたのです。

 

剪定ばさみを持ってサッカー場に行ったら、絶対に捕まるので、

昨日はちゃんとホテルに預けておいた。

そんなリスクと、重い思いをして持って来たのに・・・。

 

一瞬、このまま東京に帰ろうかと思う。

いや・・・結構長い間迷っていた。

 

でも、とりあえずご飯。

このホテルの名物の和定食は、茹でたての野菜がついてくる。

これに特製の味噌を付けて食べる。

うまい。

野菜の甘みがどんどん引き出されてくる。

ご飯がどんどん進む。

 

膳には立派な鯖の塩焼きや温泉卵もあるが、

主役は野菜。取り放題の野沢菜や赤カブの漬物。

きゃらぶきも絶品。きのこたっぷりの赤だしもある。

 

ご飯をたらふく食べてくれと言われているようなものだ。

 

そこへ、どんどんと人が入って来る。

昨日も今日もお風呂では誰にも会わなかったのに、

家族連れが次から次に朝食会場を目指す。

 

隣りで1人だったサラリーマンの男性。

4人がけのテーブルには、向かいにカップルが座って相席となった。

 

これは僕も時間の問題。

別に相席は良いのだけど、4人用の席を1人で独占するのが悪い。

 

ここも気が弱いんです。

 

結局、ご飯はお代わりせず。

大量の漬物はお茶と共に頂きました。

 

でも、ご飯1回くらいはお代わりしても良かったかな。

 

でも、お代わりのつもりで席を立った僕を見たら、

ホテルの人は「よしっ、席が空いた!」と思うだろう。

そして僕の手の茶碗を見て、「なんだ、まだいるのか」と落胆するはずだ。

 

いつもホテルの朝食会場では、こんなことが気にかかる。

だから、茶碗やお皿を持たずにお代わりを取りにいく場合(フルーツなど)、

ものすごく急ぎ足で取りに行く。「まだいますよ」オーラを出す。

 

結局、誰にも何も言われていないが、7分で朝食を済ませた。

 

おかげで、時間に余裕を持ってチェックアウト。

ここまで来たのにお墓参りをしないのも悔いが残るので、信濃大町へ向かう。

人見知りアナの鉄日記③

カテゴリー:小笠原聖のふりーとーく 鉄道のハナシ

 目の前にぶどうの実がなっている。

 

 

そうなんです。塩尻駅の3・4番線にはホームにぶどう棚があるのです。

この駅の中で比較的列車の数が少ないホームに作られたぶどう棚。

 

昔からその存在は知っていたけど、たわわに実ったぶどうを楽しめる時期に

こんな近くで見たのは初めてかも。

濃い紫と鮮やかな黄緑色の実が揺れている。

 

みんなで降りて撮影タイム。

 

松本山雅のユニフォームを着たサポーターも

名古屋のサポーターも降りてきた。

 

あれっ、いつの間に・・・。

 

 

出発する時に気付いたが、ぶどう棚は思ったよりも長かった。

車両の長さにして2~3両分はあった。

 

普通、こういう時ってメートルで説明するんですかね。

すみません、距離の感覚が全く無いんです。

 

実に有意義な「休憩」をして、いよいよ松本へラストスパート。

 

 

そろそろ本来の目的を見失いそうなところで、新宿から5時間。

14時ちょうどに松本駅へ到着。

 

 

まつもと~、まつもと~。

 

 

いつものアナウンスが響く。

これが松本に来る、最大の楽しみ。

 

味わい深い声なんです。機械だけど。

 

知りたい人は、調べてみてください。

たぶん、すぐ出てきます。

 

「鉄道音声遺産」があったら、真っ先に推薦します。

このアナウンスを変えたら、抗議します。

 

 

さて、この重い荷物をどうにか置きたい。

 

ホテルのチェックインは15時。

でも、それまで待つのも勿体無いなぁ。

 

 

気を利かせてホテルの人が

「よろしいですよ。もうチェックインして頂いて」

な~んて言ってくれないかなぁ。

 

とりあえず、駅から3分のホテルへ向かう。

 

 

フロントに行くと

「チェックインは15時からですが、荷物はお預かりしますよ。」

 

そうですよね。そうしましょう。

 

小分けに出来るバッグは持っていなかったので、

ビニール袋に入ったままのお墓参りセットと、お寺向けのお土産を預ける。

 

 

ふぅ~、身軽になった。

 

 

駅近くの喫茶店で、ココアフロートを注文。

アイスココアの上に、バニラアイス。大好きな組合せ。

 

落ち着く店の雰囲気。

間違ってもカフェではありません。喫茶店です。

 

 

ゆったりココアフロートを味わいながら、サッカーの資料を広げる。

 

ビジネスマン風に過ごしてみたかったんですが、

上に乗っていたバニラアイスが美味し過ぎて、1分で食べ切ってしまった。

 

やっぱり、僕にはビジネスマン風の行動は無理だった。

というか、ビジネスマンは「ココアフロート」とか頼まないか。

 

 

こういうお店で1時間くらいかけて仕事をするって出来ない。

なんだか「あいつ、嫌な客だなぁ」って思われている気がして。

 

周りが空いていても、出来ない。

「あいつさえ帰ったら休憩できるのに」って店員さんに思われている気がして。

 

結局、資料は見たけど滞在時間15分。

 

でも、ココアフロートはすごく美味しかったです。

次に来たら、また寄ります。

 

 

すぐ近くから松本山雅の本拠地「アルウィン」へのシャトルバスに乗る。

まだ試合開始まで4時間近くあるのに、緑色のレプリカユニフォームを来た

松本山雅のサポーターが列を作っている。

 

毎回、ここに来ると感動する。

世代が幅広い。

親子はもちろん、3世代のサポーターも珍しくない。

 

幼少期から親戚がこの近くに住んでいたので、松本は馴染み深い街だった。

その松本の街に、こんなパワーが隠れていたのか。

 

感慨深い。

 

そして頻繁に出発するシャトルバスは無料。

アルウィンまで30分かかる立地とはいえ、立派だと思う。

 

窓側の席に座ると、後から乗ってきた年配の男性が

 

「こちら、よろしいですか。失礼します!!」

 

と体育会系の見本のような挨拶で横に座った。

あまりの迫力に「は、はい・・・」としか言えなかった自分が悔しい。

 

気持ちの良い挨拶には、気持ちよく返したい。

 

30分ほどでアルウィンへ。

 

 

 

 

今年3度目の松本山雅の実況は、0-1。

猛攻を見せたけど、結局及ばなかった・・・残念。

勝ちたかったな。

 

でも、今年も楽しく中継出来ました。

ご縁を頂いた事に感謝・・・来年もご縁がありますように。

 

 

さぁて、ここからが問題。

帰りのシャトルバスで松本のホテルに戻るまでが、毎回ひと苦労なんです。

松本駅行きのバスは便数が多いけど、乗るまでに毎回1時間半近く待つ。

それだけの長い長い行列が出来る。

 

前回は、途中で諦めて「塩尻駅行き」の列に移ったら、少し早く帰れたんだっけ。

でも、塩尻から松本に向かう列車が、なかなか来なかった。

 

でも、せっかちな僕は、早くバスに乗りたい人なんです。

 

というわけで、今回は最初から「塩尻駅行き」のバス乗り場へ。

松本行きのバスは、今日も長蛇の列。

その横を抜けて、塩尻行きは・・・お~!人が少ないじゃん!

 

さっそく並ぶ。

目の前に止まっているバスに乗れるかと思ったが、10人ほど前で満員。

「この感じなら、次もすぐ来るだろう」と思いながら、見送る。

 

 

 

・・・・・来ないんだ、次のバスが。

駐車場には次々にバスが入って来るが、どんどんと「松本行き」の乗り場に向かう。

 

それはいい。松本行きの方が圧倒的に人は多いのだから。

他に、近くの駐車場までのシャトルバスもいる。

 

 

でも、10分経っても、20分経っても、塩尻行きの乗り場にバスは回って来ない。

1台くらい・・・1台くらい回しても良いんじゃない?

 

 

さらに30分経過。さすがに、みんなイライラしてきた。

しびれを切らせた人が、スタッフに尋ねている。

 

 

様子を見る限り「まだ分かりませんねぇ」みたいな会話になっているようだ。

 

 

そこにスタッフの上司っぽい人がやってきて、何か話し始めた。

すると、次に入ってきたバスが、こちらにやってきた。

 

 

はっ?!

 

そんなに簡単に・・・?

 

もう色々考えるのは止めた。イライラしても仕方ない。

これでホテルが近付いたのだ。晩ご飯が近付いたのだ。

 

ホッとしたらお腹が鳴った。

 

太ももを蚊に刺されているのに気付いた。急にかゆい。

 

 

結局、トータルで1時間待ってようやくシャトルバスが出発。

塩尻駅までは30分の道のりだ。

 

アルウィンの周りではいつも渋滞が激しい。

でも、バスに乗れたことで、気持ちが落ち着く。

 

 

 

後ろの席のカップルの話し声が聞こえてくる。

 

「え~?伊勢神宮に行った事無いの?今度行こうよ~。」

あれっ?まだ友達の関係なのかな。

 

「ねぇねぇ、まだ着かないのかなぁ~。お酒が抜けちゃうよ~」

はいはい、気持ちは分かるけどね~。

ちょっと声を小さくしても、隣りの女の子には聞こえると思うぞ。

 

「あっ、そうだ。心理テストやろうか?面白いんだよ~。」

心理テストは良いけど、その声の大きさだと、

テストを受けるのがバスの乗客全員になっちゃうぞ・・・。

 

 

それにしても、きょうは道が混んでいる。いつまで経っても渋滞を抜けない。

 

 

後ろから男性が歩いてきた。運転手に文句を言うのかな。

 

嫌だなぁ、密室の空間で。

 

「運転手さん、さっきの道で右に曲がった方が速かったんだよ。」

良かった、とりあえず穏やかな話しぶりだ。

 

「すみません、会社に言われて決まったルートしか走れないんですよ。」

ふ~ん、そういうものなのか。

まぁ、それぞれのバスが勝手な道を走ったら大変だもんね。

 

 

それから20分。おもむろに運転手がマイクを持つ。

「え~、先ほどのお客さん。前に来て頂けますか?」

 

 

何?今さら反撃?止めてよ~、バスの中でケンカとか・・・。

 

男性がやってくる。まだ山雅のユニフォームを着ている。

 

 

「すみません、会社の許可が取れたので、駅まで案内してもらって良いですか?」

 

へっ?!案内??

ていうか、最前列で聞いていたけど、そんな無線の会話、全く聞こえなかったぞ?!

 

 

確かに急に「塩尻行き」になったのかもしれないけど、それでも地元の道でしょ?

 

「どうぞ、そのガイドの席が引き出せますんで。」

 

観光バスのガイドさんが座る折りたたみ式の椅子に、なぜかサポーターが座る。

 

 

「次の交差点を右・・・」男性がテキパキと指示を始める。

渋滞を抜けて、少し細い道を走り始めた。

観光バスが通るサイズにしては不安だけど、とにかく道が空いている。

スイスイ行く。

 

「ほぉ~、そうなんですか~。」

いやいや、運転手さん、感心している場合じゃないって。

 

「このまま、塩尻に着くまで、そこにいてもらって良いですか?」

めっちゃ明るい声。

 

ツッコミどころが満載だけど、早く着いて欲しい気持ちに勝るものは無い。

サポーターさん、すみません。このバスの事を任せます。

 

 

「え~、何コレ?!いつ着くの~!!」

後ろのカップルは黙っていなさい。

 

 

それから30分ほど、一度も渋滞にはまる事無く、塩尻駅に到着。

サポーターさん、本当にお疲れさまでした!!

 

到着間際に運転手さんが一言。

「それで、いつもは塩尻駅のどの辺にバス止めています?」

マジか?!

 

 

結局、試合が終わってから2時間が経過。ようやく塩尻駅に到着。

 

松本行きの普通列車が、すぐにあった。

ホームに降りるが、出発する気配が無い。

 

「先に発車する特急が遅れているので、この列車も出発が遅れます。」

 

 

今度は列車か。

 

良いって。

もう驚かないって。

松本に着いてくれれば、充分だって。

 

 

松本に着いたら、夜の10時半になっていた。

人見知りアナの鉄日記②

カテゴリー:小笠原聖のふりーとーく 鉄道のハナシ

9時02分。定刻に新宿駅を出発。

見慣れたビル街も、2階席の大きな窓から見上げると違って見える。

鉄っちゃんで良かったと思う瞬間です。

 

車内アナウンスが流れ出す。

停車駅は、三鷹、立川、八王子、高尾、相模湖、大月、勝沼ぶどう郷、

塩山、山梨市、石和温泉、甲府、韮崎、小淵沢。

 

高尾と相模湖以外は、ほとんど特急「かいじ」と同じ。

なのに特急料金不要、青春18きっぷでOK。

やったね。また鉄っちゃんの優越感。

 

 

でも、ちょっと待て。

それしか止まらないのに、なんで小淵沢まで3時間もかかるの?

「あずさ」なら、ずっと先の松本まで2時間40分だよ?

 

・・・はは~ん、どこかで長く止まるな。

鉄っちゃんの勘です。

 

特急料金も取らず、2階建て列車で小淵沢までゆったり行けるなんて、

どこかでウラがあるに決まってる。

 

週末の臨時列車だし、毎日走る特急に抜かされるために

どこかで10分停車とか、あるんじゃないの?

 

まぁ、こっちは、その辺も覚悟の上で乗っていますけど。

 

 

 

少し徐行気味で三鷹に停車。さっき反対側にいた中央線の快速(ここから各停)を

ここで抜かすと、少しずつスピードが上がってくる。

 

立川、八王子。ここで完全に空席が無くなる。

 

 

と言っても、席に荷物を置いている人が多い。

新宿駅で僕の前にいた夫婦なんて、2人並んで座って、

前の2席に両方荷物を置いている。

 

大きな荷物を持った若者が乗ってきて、席を探してウロウロしているのに

譲らないのかよ・・・イラッとする。

僕、ほぼ毎日こんな感じでイラッとしてます。

 

でも、肝心の若者はドア口に立ったまま大声で話し始めた。

諦めたのか、それとも座らなくて良いくらいに体力が有り余っているのか。

その笑い声がうるさい。

 

後ろの兄妹は寝てしまったけど、その子たちが起きないか心配になるくらい、うるさい。

 

前のブロックでは、年配の男女3人組が談笑中。

うち1人の男性が、飲み終わったドトールのアイスコーヒーのカップを、

ずっとカラカラ振っている。

 

氷の音が、うるさい。

そんなもの、窓際に置いておけば溶けるって。

イライラの連鎖。

 

降りようかな。

高尾で降りて、普通列車に乗り換えようか。

でも、その列車でも同じくらいうるさかったら、もっと悲劇だし。

 

 

気持ちを切り替えて車窓に集中する。

あ・・・この辺、トンネルが多いんだった。

 

 

それにしても、遅い。

山沿いというのは分かるけど、スピードが上がらない。

時速50キロも出ていない気がする。

これじゃ、普通列車の方が速いんじゃない?

 

でも大月に着いても、「遅れています」等のアナウンスは無し。

 

これで定刻なのか。じゃあ、やっぱり特急に抜かれるな。

 

 

大月で富士山・河口湖方面の人がどっと降りると思っていたら、そうでも無かった。

みんな、どこで降りるのだろう。

僕みたいに乗り継いで松本、って人は少ないと思うけど。

 

 

斜め前の席のおばあさんは、八王子あたりで携帯に電話があって

「うんうん、もう乗ったから。もうすぐ降りるから」と言ったが、

もう1時間以上乗っている。

電話の向こうの人は、迎えに来るのかな。

ちゃんと時間を伝えているのだろうか。

 

 

大月を出て富士急行線の線路を見送ると、それまでのトンネルが続いていた景色から

左手が大きく開けてくる。高台を走るようになり、遠くの山々まで一望だ。

右手に見える山並みも美しいけど、左手は空の青さまでよく分かるので勝ち。

これを読んで、左手の席を確保したのです。

 

 

勝沼ぶどう郷でまとまった人が降りた。

 

以前は「勝沼」という駅名だったが、ぶどうの産地、

そのぶどうを使ったワイン作りも盛んということで変えたのが

功を奏しているみたい。

沿線のぶどう畑にも実がなっていて、

身を守るための紙?がかけられているのが分かる。

 

 

駅のすぐ左下には公園があって、機関車が保存されていた。

 

EF64だ。

 

今も現役で走っているが、全盛期は碓氷峠。信越線の横川と軽井沢の間を

全ての列車の前後について、重連で登っていた。

信州の鉄道を語る時に欠かせない機関車。

既に歴史上の機関車になりつつあるのか。

 

 

ここからは、塩山、山梨市、石和温泉、甲府と、小刻みに止まっていく。

といっても、特急「かいじ」と同じ停車駅。

 

降りてゆく人を見ていると、明らかな観光客は3割くらい。

あとは同様の客なのか、地元の人なのか。

仕事、という感じの人はさすがに少ない。

 

 

このあたりも、平日になれば立派な通勤圏である。

僕だって山梨で仕事があれば喜んで通う。

毎回列車で(しかも適度な旅気分を味わいながら)通う仕事なんて最高だ。

週1でも、週2でも・・・。

 

そして甲府に到着。新宿から約2時間10分。

ここで車内の客は、2割くらいまで減った。

 

斜め前のおばあさんも降りた。

あの電話から1時間半以上経っているけど、迎えの人は怒って帰っていないかしらん。

 

 

もう乗ってくる気配も無いので、靴を脱いで足を反対側の席に伸ばす。

 

これ、向かい合わせの席での一番の喜び。

 

一気に旅気分が盛り上がってくる。

温かさに身を任せて寝るのも良い。

ぼーっと景色を眺めるのも良い。

 

とはいえ、少しでも人が乗ってきそうになったら、早々に足を下ろします。

 

次の停車駅・韮崎では一度足を下ろす。

駅の左側に大きな観音様が見下ろしているのだ。

 

何だか失礼があってはいけない気がして、ここで止まると手を合わせます。

周りは誰も気付いていないみたい。

僕がご利益独り占め。

 

でも、韮崎を出たところで、ふと気がついた。

 

次の停車駅は終点の小淵沢。

各駅停車に乗っても25分で行けるのに、まだ残り30分もある。

 

抜かれるな。特急に。

 

 

予想通り、日野春駅で止まる。

「特急列車の通過待ちを致します。」

終点・小淵沢の2つ前での停車。

運転停車なので、ドアは開かない

マラソンなら、競技場に入ってから優勝候補の本命に抜かれるようなもの。

 

 

次は終点なんだから、先に小淵沢に行っちゃっても良いんじゃないの?

と思われそうだが、これには訳がある。

 

終点の小淵沢で「ビューやまなし」が着くホームは、松本方面の下りホーム。

終点なので降りる人が多く、それなりの時間ホームに止まらなくてはいけない。

しかし、後ろから来る特急にとっては、これがジャマになってしまう。

そこで終点の前で、先に特急を通してしまうのだ。

 

 

・・・という事を頭の中で解説してみるが、1人旅なので説明する相手は無し。

イライラして文句を言う人がいたら、行って説明してあげようと

心の準備だけはする。

 

 

せめて、せっかく駅に止まっているのだからドアを開ければ良いのに、

と言われた時のための妄想解説を考えたところで、横を「スーパーあずさ」が通過。

 

約1時間後に新宿を出た特急に、ここまで抜かれなかったのが不思議。

たぶん、そう思っているの、この車内で僕だけだけど。

 

日野春を出ると、すぐに終点の小淵沢に到着。

11時59分、定刻。あのノロノロも想定内だったのですね。

 

 

ホームに降りると、ものすごい人の数。

こんなに乗っていたの?というくらい。

大半の人が大きなリュックを背負っている。登山客のようだ。

 

そのうち半分は、階段を渡って小海線のホームに向かった。

清里、野辺山方面に向かう臨時の高原列車が接続しているからだ。

 

僕はというと、次の普通列車まで約40分の乗り換え時間。

まずは、階段を通って改札横のトイレへ。

少し前から我慢していたのです。だって、列車のトイレ混んでいたし。

 

済ませて出てくると、トイレの外は大行列。

でも、切羽詰った感じの人はいない模様。

 

 

次は昼食。改札横を除くが、立ち食いそばと駅弁屋にも人だかり。

ここで駅弁を食べる予定だった僕は、小海線のホームへ。

 

実は小渕沢は、知る人ぞ知る、駅弁で有名な駅。

「丸政」さんの2大名物駅弁、「高原野菜とカツの弁当」と「元気甲斐」。

元気甲斐は愛川欽也さんのテレビ番組「探検レストラン」から生まれたもの。

 

そしてもう1つ。昭和45年発売のロングセラー。「高原野菜とカツの弁当」

僕が小さい頃から慣れ親しんできた弁当なのです。

 

 

小海線の駅弁屋さんには、2つしか残っていなかった。セーフ!

 

 

周りは人が多いので、中央線の待合室に戻ってフタを開ける。

 

中には大きなチキンカツがゴロっと2つ。

 

でも、それ以上の面積の生野菜が主役です。

特にレタスとセロリがウマイ。

全国の駅弁で野菜のシャキシャキ感をウリにした駅弁って、珍しいでしょう?

 

しかも、カツ用のソース・からしとは別に、

生野菜用にドレッシングと塩まで付いている。

 

人がいないので、僕の周りにフタや調味料を広げながら、いただきます。

野菜、野菜、カツ、ご飯、

野菜、野菜、時々スパゲティ(付け合せ)、

カツ、ご飯、ゴボウの浅漬け、野菜、野菜・・・懐かしい。

 

 

無我夢中でがっついていたら、待合室に人がドッと入ってきた。

 

慌ててスペースを空ける。さっきまで貸切だったのに。

それでも大満足。

デザートのリンゴまで(少し乾いていたけど)美味しく頂きました。

 

 

40分の乗換えを有意義に使って、後続の普通列車に乗り換える。

小淵沢始発では無いので、座れない事は覚悟する。

それにしても、ホームに人が増えてくる。

 

大きなリュックを持った人は相変わらず多いが、

カメラを持った人に、紙袋を持った人・・・?

 

鉄道マニアというより、秋葉原のにおいがする。

 

長野でイベントでもあるの?全くの謎。

 

 

やがて松本行きの普通列車が到着。

予想通り座れなかったので、一番前に乗り運転席後ろの「かぶりつき」を確保。

 

これ、僕のいつもの習慣です。

座れた時と同じ満足感があります。

ただし、疲れていない時に限ります。

今回は、ここまで3時間座っていたからね。

 

でも、すぐ横の席では2人掛けの椅子に、1人が足を投げ出して座っている。

こういうのを見るとイラッとする。

さっきまで駅弁食べて幸せだったのに。

 

 

上諏訪に着いたところで車内が空いてきたので、後方の席を確保。

さすがに今後の仕事の事を考えて、少し休憩にあてる。

目を閉じる・・・が睡魔はやってこない。

 

 

1時間ほどで塩尻に到着。

名古屋方面の中央西線との分岐点。

 

松本まではあと15分。ラストスパートなのだが、ここで列車は12分停車。

更に後から来た特急を待ち合わせするのです。

 

せっかくなのでホームに降りると・・・おぉ、素晴らしい光景が!

人見知りアナの鉄日記①

カテゴリー:小笠原聖のふりーとーく 鉄道のハナシ

8月16日日曜日。朝8時30分。

新宿駅11番ホーム。

世の中はお盆休みのUターンラッシュ。

で、僕はというと、混雑と逆方向に向かうのです。

 

それでも日曜日の朝だから混んでいるかも・・・と

自分が乗る列車の発車時刻30分前には到着。

すると、乗車口と書かれた札の下には、すでに数人の乗客がいた。

く、悔しい。きのうの夜から、分刻みのシミュレーションをしていたのに。

 

目的の列車が新宿を出発する9時02分を起点に、僕は逆算をしていた。

自由席で座るためには、8時50分には新宿駅に着きたい。

さらに新宿に着く前に朝食を摂るとすると、起床時間は6時40分。

ちゃんと起きました。

7時半過ぎには家を出ました。

余計な時間のロスはしたくなかったので、

高田馬場の駅にある立ち食いそばの「朝定食」にしました。

 

たぬきそばと明太子ご飯のセット。

あっという間に平らげて山手線で新宿へ。

 

 

時計を見る。

8時30分。

9時02分の出発まで30分以上だ。

さすがにまだ並んでいる人はいないだろう。

 

・・・読みが甘かった。

ものすごいショック。後悔。

 

とはいえ、並んでいる人は数人。

「いいじゃん、座れるんだから」と思うでしょ?

 

違うんです。

読みが甘かったこと自体がショックなんです。

 

 

ではここで、今更ですが、僕が何のためにどこへ向かうのかを説明します。

 

目的地は、長野県の松本。18時からサッカー・松本山雅のラジオ実況があるのです。

 

松本駅からスタジアムまでは、シャトルバスで30分。

入り時間を見ても、15時30分に松本へ着ければOK。

 

いつもなら、金券ショップで買った「あずさ回数券」を使って行くので、

新宿発12時の特急「あずさ」でも充分です。

 

・・・が!ここから僕の「鉄」の部分と「ケチ」の部分が登場します。

 

 

まず、この日はお盆休みで「あずさ回数券」が使えない。

ならば普通の特急券と乗車券を買えば良いのだが、

この時期は、全国のJRで普通・快速列車に乗り放題の「青春18きっぷ」が使える。

これで行けば、料金は1/3以下。

 

お財布に優しく、は僕のモットーです。

 

 

さっそく時刻表をめくる。

 

中央線で高尾に向かい、高尾発11時29分の小淵沢行き。

小淵沢に13時40分に着いて、14時09分発の松本行きに乗継げば、

松本着は15時18分。

 

 

お~!バッチリ。これなら、朝9時まで家で寝ていられる。

前の晩は、夜9時までラジオの生放送があったので、助かる~。

 

 

・・・でも、ひらめいちゃったんです。鉄な頭が。

「ホリデー快速とかあるんじゃねぇ?」

 

 

ホリデー快速って何かって?

その名の通り、ホリデーに走る快速です。

 

中央線に多く走る、土日祝日限定の臨時列車。

しかも、快速だから青春18きっぷも使える。

快速だから普通列車よりも早い。

 

 

おまけにホリデー快速は、特急用車両を使うものもあって、シートも良い。

旅行気分を味わいながら行けるのであります。

 

調べたら・・・見つけちゃった。

「ホリデー快速ビューやまなし」号。

 

オール2階建ての10両編成で

新宿9時02分発、終点は小淵沢で11時59分。

12時40分発の松本行きに乗り換えれば、松本着は14時ちょうど。

 

これに決定。これで行く。

 

 

松本に14時着じゃ早過ぎないかって?

 

分かってます。

遅れないなら良いんです。

早い分には良いんです。

楽しく行ける方が優先なんです。

これ、僕の中での普通です。

ただし、こんなわがままな行動は、1人の場合に限ります。当たり前か・・・。

 

ネットで調べると、列車は10両のうち2~3両が指定席。

つまり、7~8両も自由席があるってこと。

 

しかも全車2階建てなんだから、けっこう乗れるでしょ?

大丈夫でしょ。

 

 

たぶん、ここまで読んで僕の知り合いは思うはず。

「もっとちゃんと調べていかないの?」

「ていうか、鉄っちゃんならそういう事も頭に入ってるんじゃないの?」

 

すみません。この程度です。

知っている事もあれば、知らない事もあります。

 

今回は、あくまでサッカー実況が目的ですから。

 

 

翌日には、お墓参りに行く予定もあるし。

そのための、行きの道のりを少しでも楽しく出来れば・・・と思っただけ。

あまりこだわりすぎると、自分にプレッシャーになるし・・・・。

 

 

この最後の部分が、一番の本音。

よく陥るんだよなあ。

自分で計画しておきながら、予定した事がちゃんと達成できるか、

だんだん不安になってくる。

疲れる性格・・・。

 

前日も、そんな事を考えていた。

電気を消して横になってから、

「やっぱり早起きは止めた!

10時まで寝て、特急で行く。当日にきっぷ買う!」

なんて開き直る。誰に言われたわけでも無いのに。

 

目覚ましのアラームも、遅い時間に変更。

 

 

・・・でも、そういう時に限って早く起きる。

元々の予定に間に合う時間に起きてしまう。

 

体が忘れない。

疲れる性格です。

 

この日だって、「7時に起きる必要は全く無い!」って自分に言い聞かせて寝たのに

6時40分の目覚ましが鳴った途端に飛び起きた。

 

 

だからこそ、新宿駅の行列はショック。

座れるのは間違いない。2階建て車両の1階にも2階にも座れる。

でも、1番じゃなかった事がショック。

 

 

悶々とする事10分。

東京方から215系の車両が入って来た。

 

元々は通勤ラッシュに大量輸送をするために作られた車両。

実際、東海道線などで「おはようライナー」や「湘南ライナー」などで

ビジネスマンを運び続けている。

 

で、土日はその業務がお休みになるので

小淵沢まで休日の出張をしている。

 

一方、すぐ奥の10番線には、河口湖行きのホリデー快速。

お~!183系だ!並んだところを撮りたい!!

と思ったけど、向こうは6両。こっちは10両。

停車位置のバランスが悪すぎる。

 

 

そんな事を、頭の中で高速で考えながら乗車口へ。

さっそくドアが・・・・・、

 

開かない。

 

「ドアが開くのは、発車15分前の8時47分頃を予定しております。」

 

出た。入線から乗車までのフェイント。

もう乗れるぞ!と思ってからの7分は長い。

 

お腹が痛くてやっとトイレを見つけて駆け込んだら、

個室が埋まっていた時みたいな感じ。

(そっちの方が深刻か・・・。)

 

 

ここで、おもむろに列を離れる。

どうせ座れるんだから、頑張って一番前に並ぶ事ないか・・・という気になって

最後尾へ写真を撮りに行く。

 

こういう、これまでの努力を無駄にする行動を、1人の時はよくやります。

しかも、まだ列車名は出ておらず、行き先表示は「回送」のまま。

頼むよ~・・・これじゃ、わざわざ乗る事の証拠にならないじゃん!!

 

 

でも、ドアが開いてから荷物を置いて撮りに行くのも面倒くさいので、

「回送」のまま、撮影は終了。

これじゃあ、撮り鉄と名乗る資格は無いわな。

 

 

さっきまで並んでいた1号車(最後尾)ではなく、2号車の列に並ぶ。

前にいたご夫婦が、どう見ても「鉄っちゃん」ぽく無かったから。

慌てて席を取るような事はされないだろう、と読んだのです。

 

さて、2階に乗るか、1階に乗るか。

2階なら、ダブルデッカーならではの見下ろす景色が楽しめる。

でも、きっと混むよなぁ。うるさい観光客とか乗ってきたら嫌だなぁ。

どうせ車内で仕事の資料も読むんだから、下の1階で良いか。

 

ん?まてよ、ドアの横には2階建てになっていない、普通の1階席が少しあるんだった。

ここだったら人気も無いだろうし、穴場かも。

でも、すぐ横に車両のドアがあるんだよなぁ。人の出入りがうるさそうだなぁ。

 

・・・これって僕だけですか?

みんな、こうやって悩んで席を決めていないの?

誰か、教えて下さい。

 

そんな事を考えていたら、8時47分。

予告通りに「まもなくドアが開きます。」のアナウンス。

列が少し前に進み、ドア口へ。

 

 

ドアが開いた瞬間、深く考えずに左へ曲がって階段を上がる。

2階席、進行方向左側の席をゲット。

 

ふう~。一安心。ちなみに前のご夫婦は、反対の右側の席でした。

 

この215系の普通車は、席が向かい合わせになっていて、いわば4人1組。

リクライニングも無いけれど、普通の鈍行に比べると、少しシートは良い。

 

ともかく、これで3時間の安息は保たれた。

次に食事の事を考える。

朝ごはんは食べたけど、飲み物はどうしよう。

・・・まぁ、いいか。

昨日から持っているスポーツドリンクの残り半分で持たせる事に。

 

車内販売も自動販売機も無いので、3時間の計画は一応立てます。

 

 

ホームでは、30代前後の男性の鉄道マニアがカメラを持って走っている。

あっ、僕も同じか。

でも、カメラを持って走り回る事はしません。

中学生まではよくやっていたけどね。

何より僕は今、カメラを持っていません。撮影もスマホだけ。

 

でも、近いうちにちゃんとしたカメラを買いたいなぁ。

次の大きな仕事が終わったらご褒美に買おう。

・・・と思い続けて、もう3年近く経ってます。

 

向かいの12番ホーム側には2~3分おきに、東京からの中央線快速電車が滑り込む。

乗客は「あれ?なんだこれ?」てな感じでこっちを見ながら、

向こうの電車に乗り込んでゆく。

 

きっと特急列車と思っているんだろうなぁ。

 

違うんですよ。特急券はいりませんよ。

こちらの列車にも乗っていいんですよ。

 

まだ座れますよ。

まぁまぁ速いですよ。

 

・・・というか、あなたの乗った列車を、三鷹か国分寺あたりで

こっちが抜かしちゃいますよ。

 

でも向こうにいる人がみんなこっちに乗って来たら、混むから嫌だなぁ。

勝手ですみません。

 

 

すると突然、ドンッ!という衝撃が背中に伝わる。

後ろの席を見ると、小学生くらいの兄妹がはしゃいでいる。

2人でどこかに行くらしい。おばあちゃんのところかな。

ドン!が3時間続くと困るけど、しばらくは僕が我慢するか・・・。

札幌を満喫!!

カテゴリー:スポーツのハナシ 小笠原聖のふりーとーく 小笠原聖のオススメ!

先週末は、札幌に行ってきました。

初めての「札幌ドーム」での実況。

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NACK5「サンデーライオンズ」でございます。

NACK5の中継で行かせてもらった「遠征」は、

仙台(コボスタ)、大阪(京セラドーム)、福岡(ヤフオクドーム)に続き4ヵ所目。

生粋の旅好きとしては、ありがたい限り・・・。

それにしても、札幌ドームの「ほんわか」した雰囲気は良い。

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日本ハムファンの子供たちが書いた習字。

半分以上が「大谷」とか「中田」とか、選手の文字を書いているのがツボでした(笑)

担当した試合は、西武が日本ハムに逆転負け・・・。

でも、その前後にプライベートの時間を満喫して来ました。

まずは、僕がフリーアナウンサーとしてスタートした事務所の同期で

共に勉強していた仲間、フリーアナウンサーの菅井貴子さんに

約8年ぶりに再会しました。

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JR札幌駅西口の紀伊国屋書店から、UHB「みんなのテレビ」のお天気中継をしている

気象予報士の菅井さん。その合間に突然訪れたにも関わらず、

生放送の合間に話し込んで楽しい時間を過ごしました。

元々、東京から北海道での仕事に移られる時に、僕が相談に乗った事があって

「北海道へ行ったら、絶対に好きになりますって!」と言ったら、

その通りすっかりハマッたみたいです(笑)これからも、応援しています!

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こちらは、東京・お茶の「岩田園」の岩田安浩さん。

以前から仲良くさせて頂いているのですが、今月から札幌三越の10Fに

「My cafe」という素敵なカフェをオープン。

さっそく伺って、絶品の抹茶パフェを頂きました。

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お茶のプロ・岩田さんが選んだ京都府産の抹茶と、

北海道産の生乳・あずきの贅沢コラボ。

抹茶のソフトクリームは濃厚でいて、上品な香りと味わい深さ。

アイスティーが横にあるのを忘れて、夢中で食べきっちゃいました(笑)

札幌三越10Fの「My cafe」、本当にオススメです!!

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更に大通公園で開催されている「さっぽろオータムフェスト」に

初めて行きました。この日は、週末だった事もあって、朝から大賑わい。

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関東の食フェスと違って、大通公園全体が会場で

しかも「~丁目広場」という会場ごとに、「バル」「ラーメン」「ご当地グルメ」など

テーマ別に多くの店が出ていて、歩いても歩いても回りきれないくらいのスケール!

しかもジャンルも豊富なので、絶対に好きな食べ物・飲み物が見つかるのが良い!

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こちらは、厚岸のカキをバジルソテーにしたものに

ホタテときのこのグリル、これで1000円!!

仕事前じゃ無かったら、絶対にビールを頼みたかった!!(笑)

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お酒が飲めなかった分、デザートも(笑)

生乳ソフトクリームをコーヒー牛乳にいれて、これで350円!!

値段が良心的なのも魅力的でした。

やっぱり札幌は良い。北海道は良いなぁ・・・。

また、すぐにでも北海道に行きたい!!

ツールド三陸、一緒に走りませんか?ツアーのご案内

カテゴリー:スポーツのハナシ 小笠原聖のオススメ!

ツール・ド・三陸のご案内!

NACK5「SPO-NOW」パーソナリティー 

小笠原 聖さんと走ろう!

「ツール・ド・三陸」参加Specialツアー 概要

 ツアー趣旨

ツール・ド・三陸は、東日本大震災によって甚大な被害を被った被災地の今を訪れ、

実際に見ていただくことで継続的にサポートしていくことを目的とする

サイクリングイベントです。

今年の大会は、NACK5「SPO-NOW」パーソナリティーの小笠原聖が

大会のステージMCを務めることになり、是非「SPO-NOW」リスナーの皆さまに、

小笠原と一緒にコースを走っていただこうとSpecialツアーを企画いたしました。

(※小笠原は初心者向けのコース「ファミリーコース」を走りますが、

経験者向けの健脚コースもございます。

その場合は一緒に走れませんのでご注意ください。

また、レンタル自転車の用意もございます)

ツアー詳細は下記へお問合せください。

別途、旅行条件書等の募集書面をご案内いたします。

 

■お問合せ先

お問合せ           :ツール・ド・三陸サイクリングチャレンジ2015

                         ツアー係 担当:今井(いまい)

            *東武トップツアーズ(株)スポーツ東京支店内

メールアドレス   :cycle@tobutoptours.co.jp

FAX                :03-5348-2731

電話               :03-5348-2730 (営業時間 09:00~18:00 ※土日祝日休)

日程表1泊2日(大宮発着)

・旅行代金 63,000円(最少催行 2組4名様・募集人員 5組10名様)

・宿泊施設 気仙沼ホテル一景閣(予定) ※2名様1室ご利用限定のご案内となります。

・食事  10日(夕・歓迎レセプション)/ 11日(朝・大会会場) ※昼食は、各自となります。

※大会エントリー代金、レンタル自転車代は旅行代金に含まれておりません。

※お申込み受付締切 9月17日(木)

8/5(土)SPO-NOW「聖’sフォーカス」

カテゴリー:スポーツのハナシ 小笠原聖のふりーとーく

いつもNACK5「SPO-NOW」でお送りしている、

僕のコラムコーナー「聖’sフォーカス」

一昨日の放送では、コーナーがいつも以上に目白押しだったので

実際にお話したかったボリュームよりも、内容を削ってお話しました。

そこで、ここに完全版を掲載したいと思います。

※放送は、U-18W杯の決勝戦前(5日(土)のものです。)

「Sei’sフォーカス」です。きょうは熱戦が続く、野球のU−18ワールドカップ、

僕もおととい、昨日と観戦をしてきました。

12の国と地域が参加して、この世代の頂点を決める戦い、

今回は初めてとなる日本での開催です。

例年以上に話題を集めた、今年の夏の甲子園を中心に、

センバツの実績も踏まえ20人の選手で結成された日本代表。

ピッチャーでは、優勝投手・東海大相模の小笠原をはじめ

仙台育英の佐藤世那、秋田商業の成田、県立岐阜商業の高橋純平、

野手では早稲田実業の清宮、関東一高のオコエ、

そして埼玉からは浦和学院の津田も入っています。

そして僕が最初に見たカナダ戦、

会場は、それまでの日本の予選でも使用していた舞洲ベースボールスタジアム。

収容人数が1万人で、バックネット裏にほとんどの観客が収まるほどでした。

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球場に着くなり、入口のすぐ下でアップをする選手達を発見。

こちらがイメージする世界大会の緊張感より、だいぶリラックスした雰囲気でした。

地区大会や甲子園での試合前の表情より笑顔も多く、チームワークを高めながらも、

限りある貴重な時間をを楽しんでいるように感じられました。

そんな中、試合に入ると、一番耳に入ってきたのが、

三塁ベースコーチを勤める、高知高校の島田監督の声でした。

試合中は、夏の甲子園と違って応援団もブラスバンドもいません。

時折、声援と拍手が聞こえるものの、世界大会の緊張感というよりは、

むしろアットホームな雰囲気でした。

その分、日本の攻撃中は常に島田コーチの声が球場に響きます。

「ここから、もう1度気合い入れていくぞ〜!」という掛け声から、

「ストレート系を狙っていけ!」あるいは、ランナーがいる場面で

ピッチャーの投球と同時にランナーに「GO!」という指示まで。

もちろん作戦ですから、すべてをそのまま取るわけには行きませんが、

選手達はその指示にうなずき、

そこからチームが試合の流れを作る場面も数多くありました。

この日のカナダ戦は5ー2で勝利、スコア以上に苦しい戦いでした。

そして昨日、場所は変わって聖地・甲子園球場。

何か始まる前から、独特の緊張感がありました。

会場が甲子園に変わって、観客の数も多くなり、

内野のネット裏はほとんどの席が埋まりました。

舞洲の時のように、思い思いの応援の声が出せる雰囲気では無くなり、

しかも相手はライバル韓国。そんな張り詰めた空気の中で、試合に入りました。

前日に聞こえた島田コーチの声も、観衆のざわめきの前には聞こえなくなる。

ところが、変わって聞こえるようになったのが、チームを率いる

大阪桐蔭・西谷監督の声でした。

前回大会も西谷監督が率いて、この時は惜しくも準優勝。

その反省を生かすと同時に、ドラフトを目前にした球児たちを預かる難しさ。

そんな重みからか、試合前は緊張した表情も多かった西谷監督でしたが、

2回のチャンスの場面、突然大きな声が響き始めました。

「思いきって振っていけ〜、大丈夫や〜」威勢の良い関西弁が響くと、

それが合図になったように打線が繋がり始めます。

バッターがファールを打てば「良いよ〜ファールが一番!」

先発の上野がピンチでタイムをとって靴ひもを結べば、

「上手いよ〜。くつひもを結ぶタイミング。」

思わず観客席から笑い声が上がり、それを見た西谷監督も表情を緩めます。

一気に攻め立てたいところで、相手のピッチャーが交代、流れが止まりそうなところでも、

打席の左バッターに「相手が左ピッチャーになっても代打出さへんから安心せい!!」

そう言ってリラックスをさせておいて、ネクストバッターズサークルの選手には、

小声で細かい指示を出すのです。

しかも、この西谷監督の声が飛ぶのは、ここぞという場面に限ります。

その時点でランナーはいなくても、

西谷監督の声が出るとチャンスが生まれる、そんな流れでした。

ただ、その声が1度も出なかったのは、4番の清宮でした。

打席の清宮の視線を感じると、黙ってうなづくだけ。

しかし、それに安心したように、清宮もヒットで得点に絡みました。

まさに選手の適性を見極めた采配を、垣間見た試合、

これが12ー0という韓国戦での圧勝に繋がりました。

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実力を兼ね備えたメンバーが集まったとはいえ、

短い時間のなかでチームを作り上げる苦労。

そして勝利を重ねる中でも、走塁や守備のミスが目についていたのも事実。

また甲子園での金属バットから木製バットに替わった打線は、

序盤の試合ではなかなか結果を残す事が出来ませんでした。

実力を兼ね備えたメンバーが集まったとはいえ、短い時間のなかでチームを作り上げ、

その分、足を絡めた打線の繋がりから得点に繋げていった、ここまでの戦い。

実際、今回選ばれている野手陣を見ても、俊足・巧打売りにする選手が多く見られます。

そして何より、選手達がそれぞれ、大会に向けたモチベーション作りを

しっかりしている事に驚かされました。

試合前や試合中のリラックスした雰囲気とは裏腹に、

試合後に多くの選手たちが口にしていたのは「悔しさ」です。

打線の中で、膠着状態を打ち破るきっかけを何度も作ったのが、浦和学院の津田。

コンパクトな逆方向のバッティングで、チームに流れを呼び込みました。

試合後にいつも話していたのが、「甲子園に行けなかった悔しさを持って戦っている。

自分達が出来なかった事を果たした仲間たちの中に入ってプレーする自分が、

今何が出来るかを考えたい。」

話を聞いていて、本当に彼らは10代なのかと、何度も驚かされました。

試合が始まれば、バットとボールが触れる瞬間の音、

そしてベンチからの選手達の声もよく聞こえます。

おかげで、夏の甲子園よりも選手の息遣いが近くに感じられました。

重なって見えたのは、映画で見た、メジャーリーグの地方球場です。

球場全体がピッチャーの投げる1球に注目し、

観客は自分達のチームを応援しながらも、相手の選手の良いプレーには

立ち上がって拍手もする。

選手達にとっては、この雰囲気の中でのプレーも、大きな財産になるはずです。

そんな貴重な舞台も、残すは明日の1試合のみ。

初の世界一へ向けた戦いの舞台は、もちろん「甲子園」です。

選手達にとっての、本当の意味での、この夏の集大成。

若き侍ジャパンは、どんな戦いを見せてくれるのでしょうか。

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(9/5(土)NACK5「SPO-NOW」にて放送)

甲子園に行ってきました。

カテゴリー:スポーツのハナシ 小笠原聖のふりーとーく

こんなお土産のお菓子、ありますよね?

そんなタイトルです(笑)

東海大相模の皆さん、本当におめでとうございます。

スポーツ紙の1面に「小笠原」の文字が躍るのは嬉しいものです。

僕は何の貢献もしていませんけど(笑)

今年は仕事(レポート)としてはタイミングが合わなかったのですが、

それでも地区大会で優勝を伝えた千葉県代表・専大松戸を応援に

甲子園に行っていました。千葉で共に実況を担当した黒沢アナと。

しかも・・・青春18きっぷで(笑)

行きだけですよ。帰りは新幹線でしたよ。

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黒沢さんが朝5時から甲子園のチケットの列に並んでくれたおかげで、

なんと3塁側専大松戸ベンチのすぐ裏、2列目に座れました。

声をかけたら、監督や選手が振り返る位置。

周りは学校のOBや関係者がいっぱいでした。

試合は、花巻東に2-4で惜敗。

でも、一緒にベンチで戦っているような気持ちで応援できたのは楽しかった。

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お疲れさまでした~!!って、声をかけたら持丸監督も笑顔で振り返ってくれた。

エースの原をはじめ、選手の1人1人に声をかけたかった気持ち。

そして、僕や黒沢さんは何度も某国営放送に映っていたそうです(笑)

いつか、お客さんじゃなくて本業で映りたい・・・。

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そして翌週にプライベートで、再び甲子園。

尼崎に泊まって、朝5時半に甲子園駅に着いたのに、この人の数・・・。

今年は例年以上の盛り上がり。

毎年甲子園に行っている仲間と話していても、

「今年の混みようは異常だよね」と話していました。

まぁ、僕たちもその一因なんですけど(笑)

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この日は東海大相模の初戦でした。

9回1アウトから登板した小笠原慎之介の、150キロのピッチングを見られて満足。

写真では分かりにくいですが、バックスクリーンに表示されています。

本当は後半にもう1回くらい行きたかったけど、まずは今年も行けて良かった。

きっと来年も行くんだろうなぁ。

甲子園が終わって・・・昼間は何を見たら良いのさ、という気持ちのまま

週末・日曜日はNACK5で17時55分からサンデーライオンズ、

「西武vsロッテ」の実況。radiko.jpプレミアムを使えば、全国でお聞き頂けます。

ぜひ、聴いて下さい!!

夏の思い出2015・埼玉編

カテゴリー:スポーツのハナシ

今年は本当にフル回転だった高校野球週間。

千葉と平行して、テレ玉の高校野球埼玉大会でも3試合を実況しました。

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テレ玉の高校野球中継では、両校の関係者の方を放送席にお招きします。

最初の担当は、「花咲徳栄vs春日部工」、花咲徳栄の矢内先生と

春日部工の岩崎先生に、普段の選手のエピソードを伺いながらの放送は

本当に楽しかった・・・。

その翌日には、「5回コールド32-1」という試合を実況し、

こういう時にどういう風な話の展開にすれば良いのか、考えさせられました。

一方で、「川口vs白岡」の県立校対決は、1点を争う好ゲームに。

・・・そう、3試合の実況で、今年の優勝校「花咲徳栄」と

準優勝校「白岡」の試合を担当する幸運に恵まれたんです。

特に白岡は、埼玉栄、そしてあの浦和学院も破って、

この大会を大いに盛り上げました。

甲子園にはあと1歩届きませんでしたが、必ず来年に繋がるはず!

良い経験をさせてもらいました。

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そして17日間に渡る実況週間の最終日は、

高校野球千葉大会からの・・・西武プリンスドーム!!

平尾博嗣さんと「サンデーライオンズ」の中継、

つまり1人ダブルヘッダーでした(笑)声が持ってくれて一安心。

でも、ライオンズの状態は心配・・・。

そんなわけで、17日間で

高校野球12試合+開会式、高校野球ナレーション3回、

プロ野球実況1試合、サッカー実況1試合、SPO-NOW1回に、レポート1回。

不思議と疲れは感じませんでした。幸せだったなぁ。

埼玉でお世話になった皆さま、ご視聴頂いた皆さまも、

本当にありがとうございました!!

来年も、1試合でも多く高校野球に関われますように・・・。

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