筑紫哲也「旅の途中〜巡り会った人々」
2010年01月04日
今年最初の本の話です。
といっても、新年になってから読み始めた本ではありません。そんなの無理です(笑)
というのも、実に423ページ。しかも、思うところあって音読だったので
どんなに進んでも1日に100ページ。いろんな意味で読み応えのある本でした。
筑紫さんの本は、ここ1年ほどで何冊か読んできました。
そして、これから読む予定の本が多く控えているのですが、
この本の面白いところは「会ってきた人」について書かれている、ということ。
それでいて、著者である筑紫さんの新たな一面を垣間見られる本でもあるのです。
そもそも、こういう本を出せる事自体が
筑紫さんの交友関係の広さを表しています。
政治家、映画監督、スポーツ選手、俳優、歌手などなど・・・。
その一つの要因として、文中に何度かこういう言葉が出てきます。
「私が年長者を年長者であるが故には敬意を抱くことはない
“不幸な世代”に属しているという個人的事情が関係している。」
これだけを見ると「生意気」といったマイナスな印象ばかりが出てくるかも知れません。
しかし筑紫さんの場合は、だからこそジャンルの垣根を簡単に取り払う事ができ、
他の人の番組では聞けない貴重なインタビューにも繋がっていったのかも知れません。
それと、もう一つ。
この本ほど、読むのに辞書やパソコンが手放せなかった本はありません。
その表現力の多彩さ・・・恥ずかしながら、初めて出会った言葉もいくつかありました。
さらに本書の対象となっている人以外にも、その人について調べなくては
本質が読み解けない、という人は多く登場するのです。
自分の勉強不足を痛感した一冊。半年おきくらいに、読み返そうと思います。