この方が本を書いたら読んでみたい。

そう思っていた方のうちのお一人が、初めての本を出されました。

もちろん、すぐに買って読んでみました。

フジテレビで活躍されているスポーツアナウンサー・三宅正治さんの

「言葉に魂(おもい)をこめて」

まさに、三宅さんにピッタリのタイトルです。

 

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三宅さんというと、フジテレビ「すぽると」のキャスター、

そして「ジャンクSPORTS」はもちろん、数々のスポーツ中継でも

活躍されている方。僕にとっては、雲の上の存在です。

 

でも、僕にも少しだけ、三宅さんとの共通点があります。

それは、東京・恵比寿のアナウンス学校で学んだこと。

つまり、三宅さんは僕の先輩にあたります。

 

僕が学校に通いながらアナウンサーを目指していた時に

よく聞いたエピソードがあります。その学校には、授業の時間以外にも

生徒が発声練習を出来るようにと「自習室」がありました。

建物の地下にひっそりとあって、僕の通っていた頃も

そんなに多くの人が使用していたわけではありませんでした。

その自習室の話をしていた時に、学校の事務の方が言いました。

「あの部屋で今まで一番練習しているのは、今、フジテレビにいる

三宅さんなんだよ」それ以来、テレビで三宅さんを見るたびに

その話を思い出します。

 

(ちなみに、次に多かったのはテレビ朝日で「サタデースクランブル」を担当されている

松井康真アナウンサーだそうです。どちらも、僕が尊敬する先輩です。)

 

今回の本を読んでいくと、三宅さんのこれまで続けてきた努力の過程が

よく伝わってきます。名場面の実況の裏に隠された苦労と失敗、

そして、そこから得たこと。そして、本のタイトルのように

言葉を伝える前に「思い」を伝えることの大切さ。

この本を読むことで、改めて教わりました。

しかも、三宅さんの文章はテレビの中の軽快さ、そのもの。

どんな業種の方にも、参考になると思いますよ。

 

そして、この本には恵比寿の学校の恩師である

故・永井譲治先生への思いが詰まっています。

 

三宅さんの本についてのブログなのに、

僕の選んだカテゴリが「おすすめの店」なのは、誤りではありません。

永井先生に教わった生徒なら、誰もが知っているお店。恵比寿の「庄や」

今も多くのアナウンサーが集まり、そして語り、

今なお多くのアナウンサーが巣立っていく場所です。

そのお店を舞台にした話も載っているのです。

三宅さんのお人柄が、そのまま伝わってくる一冊。

ぜひ、読んでみて下さい。