2009年10月6日。僕にとっては、とても思い出深い1日になりました。

この1週間の全てを注ぎ込んで準備してきた、と言っても良いくらいに

時間をかけて準備してきた、マリーンズの今季ホーム最終戦。

(別に1週間近くブログを書いていなかった言い訳ではありません(笑))

準備をしながら一番気がかりだったのは天気でした。

秋雨前線だの台風だのって・・・でも、マリーンズファンの願いが通じたんでしょうか。

小雨が降りながらも、大雨にはならずに試合開始3時間前。僕も球場に着きました。

 

すると球場正面に、この日のためにマリーンズファンが書きためたメッセージボードが。

ちょうど取材中だった、千葉テレビの中野涼子アナと写真を撮って、いよいよ球場の中へ。

 

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中には久しぶりに多くのテレビカメラがありました。考えてみれば、バレンタイン監督の

ホームラストゲーム、そして小宮山投手の引退試合、おまけに相手の楽天は

この試合に負けると日本ハムの優勝が決まる、マジック対象チーム。

関心が高いはずだ・・・。

 

そんな今日の試合、ロッテ・成瀬、楽天・岩隈両投手の投げ合いで

試合は2対2の同点で8回へ。すると、楽天はここまで無敗の守護神・福盛を投入。

しかし!!やっぱり今日はロッテの選手の意気込みが違いました。

まさにバレンタイン監督の下で花開いた今江と里崎のタイムリーで勝ち越し。

そして、9回2アウト2塁の場面で、ついに小宮山が登場!!

楽天・セギノールをたった1球で打ち取り、ゲームセット。

なんと引退記念の登板のはずが、「最年長セーブ」の記録まで達成。

劇的すぎる幕切れでした・・・。

 

そして、雨の降り止まぬ中、セレモニーへ。

 

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まず、小宮山投手が挨拶。とにかく好きな野球に携わって来られた事への感謝、

そして師と仰いできたバレンタイン監督やご家族への想いが溢れていました。

ちなみに、この写真は放送席からのもの。手前は放送モニターで、

後ろに写っているのは実際の光景です。

挨拶の時に、マイクが一時オフになったので、その間に撮りました。

 

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と、ここでサプライズが。なんと小宮山投手の3人のお子さんが花束を持って登場。

お父さんに花束を渡す・・・はずが、お父さんが耳打ちすると、

3人は一斉に1塁ベンチに。そしてバレンタイン監督に花を渡したのでした。

とても心温まる感動的な光景でした。小宮山投手は良きパパでもあるんです。

 

小宮山投手が最後に「必ずこのユニフォームを着て、このグラウンドに戻ってきたい」

その言葉に、みんな大歓声でした。

 

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そして、バレンタイン監督のセレモニーへ。試合の途中から涙ぐんでいた

バレンタイン監督は、震えながらも力強い声でメッセージを読み上げました。

しかも・・・全て日本語で。日本の野球を愛し、日本のファンを愛したボビー。

監督に就任してからも、日本語の勉強を続けていました。

そして、マリンのファンの前で、精一杯の想いを日本語で伝えたのです。

 

マリンのファンは、ただ涙、涙・・・。僕も放送席でセレモニーの様子を伝えながら

「あ〜、本当に最後なんだ・・・」と不思議な感覚になりました。

まだ、実感が湧いていなかったんですよね。

思えば、僕がマリーンズナイターを担当させてもらうようになったのは2005年。

バレンタイン監督が2度目の監督就任をした2年目です。

そして、その年にマリーンズは日本一、そしてアジア制覇を成し遂げました。

それから、僕のプロ野球実況はボビーと共にありました。

ボビーの采配を伝え続けた5年間だったのです。

 

今、こうして振り返ってみると、本当に幸せだったなあ、と思います。

放送を通じてロッテをもっと好きになり、放送以外でも足を運んで応援するファンになりました。

それは、何よりもバレンタイン監督の作った「ボールパーク」の魅力を知ったからに他なりません。

そのバレンタイン監督の、ホームでのラストゲームを自分が伝えられたのも不思議な縁。

今日の放送は、僕の今後の人生でも忘れられない日になるんだろうなあ、と思います。

 

バレンタイン監督、小宮山投手、そして今日のセレモニーにも登場したベニー選手。

長い間、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

また、新たな場での活躍を見られるのを楽しみにしています。