「ブッシュ」
2009年05月30日
先日は映画「フロスト×ニクソン」の話を書きましたが、
今日は、ニクソンより記憶に新しい人の映画を見てきました。
オリバー・ストーン監督作品「ブッシュ」です。
ブッシュ政権の中での大きな出来事と言えるイラク戦争。
「大量破壊兵器がある」という思いこみによる攻撃に走るまでを
ブッシュの生い立ちと重ね合わせながら映し出しています。
ちょっと意外だったのは、比較的オーソドックスな表現だったこと。
ブッシュの人間性やエピソードなど、報道されない意外な面が出るのかと
思ったのですが、それよりもブッシュ政権全体の混乱ぶりが表現されていました。
国の方向性を決めるまでに、大統領をはじめとする閣僚達の間でどのような
やりとりがなされるのか・・・そして、私たちが知ることが、その中の
ほんの一部なんだな、という事を推測させてくれる映画です。
ちなみに、見終わって、何よりも印象に残ったのは、登場人物が似ていること(笑)。
主役のブッシュ前米大統領や、いわゆる「パパブッシュ」もそうですが、
当時の政権のライス国務長官、パウエル官房長官、
ラムズフェルド国防長官などは「激似」です(笑)。
その一方で、”強引”に始められたイラク攻撃について、
攻撃を決定した場面のすぐ後に流れる、イラクへの爆撃映像の際、
そのBGMがコミカルな曲なんです。そのギャップが
「これほどの重大な事を、あっさりと決めてしまった。
それによって多くの人の命が失われても、
ブッシュには、この音楽のような軽さにしか感じられない」と
訴えかけるメッセージになっていました。
こういう映画の題材にされる大統領が、もう出なければ良いのですが。