「おきなわ:世の中で」
2009年05月21日
いつかは行ってみたいと思っていながら、未だに行った事が無い場所。
それが沖縄です。
きれいな海や風土、文化、食べ物などなど・・・
興味深い物はたくさんありますが、それ以上に勉強したいのが沖縄の歴史。
その沖縄について書かれた本を読みました。
「おきなわ:世の間で(ゆーのはざまで)〜筑紫哲也の多事争論かわら版・完結編〜」
この本は、筑紫さんが「沖縄タイムス」に連載していたうち、
1997年7月から連載完結の2003年3月までを収録したものです。
筑紫さんは新聞記者時代に復帰前の沖縄で”特派員”を経験していて、
「NEWS23」でも、度々、沖縄を取り巻く問題を取り上げました。
本の中では「だれかの犠牲の上に、自分たちだけの利益を守る、
そういう国であってほしくないと思うから、私はしつこく沖縄を語る」と
書かれています。
その言葉の通り、米軍基地の問題をはじめ、沖縄が抱えている特殊な事情について
本土との温度差の大きさは大きいと言わざるを得ませんよね。
ましてや、「NEWS」を伝えるメディアは、
ある問題について繰り返し検証し、伝え続ける事が本当に少ない。
そんな中、現地の新聞を使って警鐘を鳴らし続けていた筑紫さん。
今から10年近く前の連載にも関わらず、その時と今の状況は
ほとんどが進展していないんだな、と本を読み進める毎に気付かされます。
そして、本の中で「これからの日本社会」について筑紫さんが予想していることが
多く現実になっている、というより「なってしまっている」のです。
私も実際に沖縄へ足を運んでみたいという気持ちを、この本から更に深めました。
そして、「伝え続ける」ことが大切な私たちの世代にとって、
「沖縄の入門書」なのかもしれません。