スポーツの取材をしていると、色々なドラマに出会います。

それは試合の中であったり、選手自身であったり・・・。

そんなドラマを伝えるのも僕の役割なのですが、

その「伝え方」に悩んだときに、いつも読み返す本があります。

ノンフィクション作家、故・山際淳司さんの本

第8回日本ノンフィクション賞受賞作

「スローカーブを、もう一球」

 

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8編が収録された中には、あの名作「江夏の21球」もあります。

日本シリーズでの歴史的な場面を1球ずつ切り、

その豊かな感性と豊富な取材で鮮やかに表現されている作品。

読んでいる文字の中に、スタジアムの興奮が蘇ります。

 

また、山際さんの作品は、無名のスポーツ選手や高校野球の地方大会といった、

新聞に小さく載るかどうかという物語も登場します。

そして、そのターニングポイントである場面に対し、時系列に述べるだけでなく

そこに至るまでの過程、後に登場人物から聞いた心境を織り交ぜながら

多角的に描き出すことで、見ている者を魅了する作品の数々。

 

僕が山際さんの事を知ったのは、若くして病に倒れる少し前、

スポーツニュースのキャスターとしての姿でした。

惜しかったなあ、と今でも強く思うのですが、

名作の数々は今でも輝きを失っていません。