岩手・宮城内陸地震から2日が経ちました。

亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りしますと共に、

被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。

 

私もこの週末、ラジオの仕事で地震のニュースを伝え、

また家でも被害の状況を伝えるニュースに接しました。

 

こういった出来事に直面するとき、

自分には何が出来るのだろう、という事を

いつも思います。

 

連日、マスコミが被災地に押し寄せ、

不安を抱えながら生活する皆さんの様子を取材する。

私もマスコミで働く者として

取材する側の気持ちも分かるのですが、

きょう・あすを不安な気持ちで過ごす

被災者の皆さんにとっては、

多大な迷惑になっているのだろうな、と考えると

心が痛みます。

 

私も以前、少しの時間ですが震災の現場に

身を置いた事があります。

それはアナウンサーになる前、

あの阪神淡路大震災です。

 

震災の前にも何度か

神戸・大阪を旅していた私にとって、

連日、テレビから流れてくる映像は、

本当に信じられないものでした。

 

その一方で「ただ、見ている」という事に

疑問を持ち始めたのです。かといって、

野次馬のように現地に行く事だけは絶対にしたくない。

考えた末、とにかく現地に行って

ボランティアをしようと考えました。

幸い、すぐに人手を必要とする場所にたどり着き、

2〜3日でしたが避難所となっている

体育館や学校の周りで、衣類の運び出しや

炊き出しの手伝いをしました。

 

その時にも取材陣はどんどんとやってきます。

いろんな人がいました。

文字通り「土足」で、いろんなところを駆け回る人。

夜中や早朝にも関わらずに大声をあげる人。

でも、その中でも本当に被災者の人を心配して

お年寄りや子供達に話しかけて回っている人も

大勢いました。

 

もちろん、その先には

取材という目的があるのですが、

常識を持った人の取材では、

うち解けてきたおばあちゃん達が

まるで自分の息子や娘に話すように、

インタビューに答える様子もたくさんあったのです。

 

自分もいつか同じような場面に遭遇したときは、

絶対に後者でありたい。

そう、強く感じました。

 

そして、外部から被災地に入った私でさえ

心細く感じる夜。

そこに流れていたラジオからは、

被災者の皆さん同士が

お互いを励ます言葉が流れ続けていました。

放送の「チカラ」を感じました。

 

 

そして、今回の地震での報道。

地震大国である日本として、今回の報道が

今後の地震の被害を少しでも

食い止めるために役立つこと。

 

そして、街だけでなく、

人々が本当の意味で元気になるまで

「復興」の姿を伝え続けること。

そんな形で、少しでも

「人のために役立つ」ものであって欲しいと

心から思います。