印象深い映画2本
2010年06月01日
『毎月1日は、映画が割引料金の¥1000』
というのを、何度となく映画館で流れるCMで見てきました。
でも、世の中そうはうまくいかないもので・・・。
1日が休みにならなかったり、休みになっても見たい作品が無かったり。
それが、やっとうまく噛み合った日。
先週末の5月29日にロードショーになった2本の映画を見てきました。
まずは、鉄道が舞台とあって必ず見ようと思っていた『RAILWAYS』
期待以上に、すごく良かったです。
よく『心温まる映画』っていう表現が使われますが、
そういう意味では、今まで見た映画で1番かも。
登場人物で、これほど『良い人』ばかりが出て来る映画も珍しいかもしれません。
ストーリーの中にさりげなく出てくる台詞に、深く染み入る良い言葉がたくさん出てきます。
たぶん、今、僕が好きな仕事をしていなくてこの映画を見たら、
来年の鉄道会社の採用試験を受けていた気がする・・・(笑)。
だからといって、鉄道好きじゃ無いと楽しめないという事は全くありません。
でも、島根の良い景色がたくさん出て来ます。
夢を追いかけることの素晴らしさを教えてくれます。
一畑電車、乗りたくなったぁ。
そして、映画館を移動して見たもう1本。
こちらは、非常に重いテーマ。
昭和41年に静岡県で実際に起きた
「袴田事件」を基にした元裁判官の物語。
『BOX 袴田事件 命とは』
そして題材となった張本人は、今現在も死刑囚として拘置所に居続けている現実。
見ていて、息が詰まる感覚に襲われました。
しかも、その死刑判決を受けた時の年齢は、今の僕とほぼ同じ。
それから41年もの間、廊下の足音を聞く度に「死刑台への迎えなのかも知れない」と
怯え続けている現実は想像を絶する。
冤罪というテーマの映画としては、周防正行監督の『それでもボクはやってない』も見た。
今回の映画は裁判官の立場からの葛藤を描いている事、
そして死刑という判決の重みが、より見る者に突き刺さる。
また、事件のあらましを経過・時代背景と共に追っていくので、その時の長さも痛感する。
改めて感じるのは、被告・被害者・そして双方の家族以外にも、
判決という十字架を背負って行く人がいる、ということ。
そして冤罪が起こる裏には、初動捜査や取り調べといった警察・検察だけではなく、
裁判官にも『違う要因』があるという『タブー』が暴かれている。
巨大な組織の隠蔽体質が冤罪を生んだ裁判に、もし遭遇したら
一般の我々が見抜けるのか。そして裁けるのか。
自分も今後、裁く側に立つ可能性もあれば、冤罪に巻き込まれる可能性もある。
その重大さに、途中から震えが止まらなかった。
今の裁判員制度、そして取調べや捜査の在り方にも、
大きな不安を感じざるを得ない作品でした。
全くタイプの違う映画ですが、見終わった後に必ず『何か』を感じられる映画。
ぜひ、多くの人に見て欲しいと思いました。