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新しいご縁

2015年10月20日 火曜日

プロ野球のレギュラーシーズンも終わって、

すっかり暇に・・・なるはずだったのですが、

ありがたい事に新たなご縁を頂いて、楽しいお仕事をさせて頂いています。

まずは、突然入ってきたお仕事「メジャーリーグ中継」。

「アフリカTV」という、YouTubeのような動画配信ページで流れる中継の

実況をさせて頂いています。普段は1人実況なのですが、初日は特別に解説付き。

元巨人・横浜の駒田徳広さんとご一緒させて頂きました。

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現役時代は「元祖・満塁男」として大活躍した駒田さん。

豪快なキャラクターのイメージから、最初は緊張していたのですが

とても穏やかで優しい方でした。

とても自由な放送なので、巨人vs近鉄の日本シリーズの「あの話」も聞けて

本当に楽しい放送になりました。

アフリカTVでの中継担当は、このあとワールドシリーズでもさせて頂く予定です。

・・・続いて、一昨日はJ:COMの神奈川エリアで

初めてサッカー「J3」の実況中継。

「FC町田ゼルビアvsSC相模原」の「武相決戦」を担当しました。

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ご一緒したのは、元・山形監督の奥野僚右さん、レポーターは津田三七子さん。

久しぶりのテレビでのサッカー実況で緊張して僕は、助けられっぱなしでした。

新しいご縁のお仕事を頂けるって、本当にありがたいですね。

まだまだ勉強が足りませんが、またご一緒出来る機会がありますように。

本当にありがとうございました!!

「ツールド三陸」行ってきました!

2015年10月20日 火曜日

ご報告が遅くなりましたが、10月10・11日と

岩手県陸前高田市と大船渡市のコースで行われた

「ツールド三陸」にMCとして行ってきました。

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3月の「三陸レポート」以来、半年ぶりの三陸。

このスタート・ゴール地点は、陸前高田市役所の近くに作られました。

参加者は全国から約1250人!100人のボランティアスタッフの方も集まり、

賑やかに行われました。

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僕も主催者の方からジャージをお借りして、ステージのMC。

本番の日はあいにくの雨だったのですが、それでも沿道にはたくさんの

市民の方が応援に来て下さって、本当に温かい雰囲気のレースでした。

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大会の「応援団長」は、元・F1レーサーの片山右京さん。

今大会のスタートから応援団長を務めているのですが、

今まではスケジュールが合わず、4回目の今回、初めての参加となりました。

精力的に参加者の皆さんと交流を深めていたのが印象的でした。


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日本人で初めて「ツール・ド・フランス」に出場された今中大介さん。

当日は飛び入りで、僕と一緒にスタート地点のMCをしてくださいました。

本当にスゴイ方々とご一緒できて、夢のような時間でした!

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こちらは当日の締め括りに演奏をして下さった、高田高校吹奏楽部の皆さん。

東日本大震災の津波で生徒にも被害者が出て、校舎も被害を受けました。

そんな中、多くの人からの支援への感謝の気持ちを伝えたい、と

「花は咲く」などの曲を演奏して、会場は大きな拍手に包まれました。

今回は、僕もMCをしながらコースを一緒に走る事が出来ました。

そこで見えてきた現状なども含めて、今度の日曜日のNACK5「SPO-NOW」

夜8時30分過ぎからの「聖'sフォーカス」でお話しする予定です。

人見知りアナの鉄日記⑤(最終回)

2015年10月08日 木曜日

 

 

 

お盆休み明けの月曜日の朝8時前。さぞや列車も混んでいると思ったら

意外と空いていた。3両編成の普通列車で信濃大町へ向かう。

車両は211系。少し前まで、関東の東海道線や高崎線・宇都宮線でも

走っていた車両である。

 

色も変わり、編成も短くなり、ドアの横に押しボタンも付き・・・、

変わったところも多いが、シューというドアの開閉音は独特だ。

信濃大町までの約1時間。いつもなら左手に広がる北アルプスの絶景を

存分に楽しみながら行くが、外は雨。さすがに景色は楽しめない。

ロングシートの端に座って何気なく車内を見渡していたら、いつの間にか寝ていた。

 

信濃大町の駅前に立つと、雨は強まっていた。

仕方ない。

覚悟を決めて、折りたたみ傘を広げる。

 

バキッ。

 

えっ?!マジで?!

 

このタイミングで傘の骨が折れた。

広がった傘が、半分だけ力なくしぼんでゆく。

 

帰れって事ですか?

本気で悩む。

 

駅の前の屋根の下を、20分ほど行ったり来たりした。

 

おそらく止まっていたタクシーの運転手は、僕を怪しい人と思っただろう。

 

結局、売店で700円の傘を買って、お墓参り。

折り畳みの傘は無し。

荷物が増えてしまった。トホホ。

 

でも、ここまで来ると、自分が試されているような気がしてくる。

体の半分近くが濡れながら、20分ほど歩いてお寺に到着。

お墓の周りの剪定は、お寺の方がしてくれていました。

 

その事のお礼をして、お土産を渡し、大急ぎでお墓参り完了。

あまりの雨で、ろうそくも線香も出番無し。

ご先祖様、ごめんなさい。

 

それでも、ここまで来た事で自分を褒めたい気持ちになった。

 

さ~てと、ゆっくり帰りますか。

 

信濃大町駅に戻る。

あとは、ひたすら鈍行を乗り継いで、東京まで帰るだけである。

 

あっ、言い忘れましたが、2日続けて青春18きっぷ使ってます。

当然です。

 

時刻表で次の列車の時間を見る。

1時間10分後?!けっこう空くんですね。

 

そんな事調べておけよ、と思われるかもしれないが、

こういう行き当たりばったりの旅が出来るのは、贅沢だと思いませんか。

 

時間に追われる生活をしていると、半日でも1日でも、

こういうのんびりしたペースで生きたいのです。

 

その弊害として、こうやって1時間のロスも起きますが。

 

待合室で座って待つ。

やけに人が多い。しかも、大きなリュックを背負っている。

 

きっと登山客なのだろう。ここ信濃大町は、立山黒部アルペンルートの

長野側の玄関口である。駅前から黒部方面へのバスが出ているのだ。

 

すぐに黒部行きのバスが駅前のロータリーに入ってきた。

しかし、待合室の人は動かない。

 

という事は、みんな帰り客なの?

 

嫌な予感がした。

つまり、僕と同じ方向に帰るって事?

 

改めて周りを見回す。既に登山客は50人以上いる。

不安になって、駅員さんに確認する。

 

「次の松本行きって何両ですか?」

「え~っと、次は・・・2両ですね。」

やっぱり。

「次って、信濃大町始発じゃないですよね?」

「そうですね。南小谷から来ます。」

 

もっと北から登山客を乗せて来る、たった2両の列車に、

ここで50人以上が乗る。しかも、まだ1時間近く、人が溜まってくる。

 

なんだよぉ。

この旅で1番の嘆きです。

 

一瞬、長野行きのバスでここを脱出しようかと考える。

でも、バスには青春18きっぷは使えない。

別料金を払ったら、僕の負けだ。

 

そして、予想通り、松本までの1時間は地獄だった。

東京に住んでいて、通勤ラッシュの辛さは知っているが、

混雑率は負けていなかったと思う。

 

ただ、通勤と違うのは、多くの人がリュックを持っていること。

そして登山客の多くは仲間で、中には登山を終えて待ち時間に飲んでいること。

 

辛かった。

 

黙ってひたすら、運転席の後ろに立ち続けていたが、

何度酔っ払った登山客の荷物が、僕の頬にギューっと迫った事だろう。

そして、うるさい。どこにそんな力が余っているのか。

 

松本までの1時間が3時間に感じた。

 

長かった。

やっと松本に戻ってきた。

 

あのうるさい登山客は、きっと特急「あずさ」に乗り換えて

新宿へ向かうのだろう。僕は鈍行の旅。ここでお別れだ。

でも、こちらも余裕があるわけでは無い。30分の乗り換え時間で

昼食に立ち食いそばを食べ、お土産を買って、小淵沢行きの普通列車を待つ。

 

ここの駅そばは、僕は日本一だと思っている。

最近は、茹で時間3分の生そば「特上そば」もある。

 

お気に入りは、山菜そばや、野沢菜葉わさびそば。

塩気や辛味と、そばが実に合う。

 

でも、今日は違う気分で、と鴨そばを注文。

初めて食べてみたが・・・思ったほどの感動は無し。

次回からは、いつもの山菜そばにしよう。

 

きっと、さっきの列車の中で僕のセンサーが壊れたのだ。

瞬時にそばの種類を選ぶセンサー。

今まで外れた事は無かったのに。

 

どうでも良い事を考えながら、小淵沢行きに乗り込む。

あれっ?見覚えのある大きなリュックサック。

 

そして聞き覚えのある笑い声。

 

ウソでしょ?

 

慌てて、隣りの車両へ。

さっきの登山客は、同じ列車に乗り継いでいた。

 

まさか。

 

青春18きっぷで登山?!

どれだけ元気なんだ。

 

そもそも、意味が分からない。

そこまで、こっちのテリトリーに侵入されるのは困る。

 

ただ救いだったのは、列車の両数が3両あったこと。

そして、人の数も半分ほどに減っていたこと。

僕も隣りの車両へ移って、座ることが出来た。

 

ほっとしたのか、すぐに寝てしまった。

約24時間ぶりの小淵沢で乗り換え。

 

あとは、高尾行きの普通列車に乗る。

終点まで行けば、ゴールは目前だ。

 

 

雨が降るホームに、折り返しの列車が入ってきた。

中からドッと人が降りる。

 

みんなリュックを持っている。

日本人の登山人口って、すごいんですね。

 

この列車は東京方面から来たので、これから登山に向かう人たちだ。

足早に小海線に乗り換えて行った。

 

ここからの普通列車は6両編成。

ようやく、ゆったりと席を確保できるようになった。

 

そういえば、あのうるさい人たちの姿は無い。

どこかで降りたのか。

 

雨の影響か、少し列車が遅れて着いたようで、

すぐに乗務員が交代して、出発をしようとしている。

 

おもむろに、すぐ上の網棚を見ると、ピンクのDバックが置いてある。

おそらく、ここまで来る時に乗っていた人が忘れたのだろう。

 

一瞬考えて、車掌室に向かう。

ここで降ろさなかったら、列車は再び東京方面に戻るのだ。

 

今だったら、落とし主は、まだ駅にいるかもしれない。

 

車掌室のドアをコンコンとたたく。落し物があるんですけど、と伝えると

中年の車掌さんは「え~?はいはい、分かりました。後でね・・・。」

 

不機嫌そうだった。

凹んだ。

 

相手の気持ちも分かる。車掌さんとしては、遅れている列車を早く出発させたい。

そこに乗客が来た。対応したせいで、30秒くらいはロスしただろう。

 

でも、こちらにも、こちらなりの考えがあっての行動だった。

 

僕の向かいに座っている男性は、黙ってこっちを見ている。

あの人、何でさっき後ろの方へ行ったんだろう・・・という目をしている。

 

出来る事なら、説明したい。

こんな事があって、今僕は凹んでいるんだ、と。

 

そんな事を知らない男性は、ビニール袋の中から小さなボトルを取り出した。

一緒に出した小さなプラスチックのコップに注いで、ちびちび飲んでいる。

 

ワインだ。

 

しかもロングシートの端にある手すりの隙間に、コップを上手く置いて、

つまみのチーズを食べている。

 

プロだ。

間違い無い。

 

青春18きっぷのプロだ。

 

僕はすっかり感心してしまった。

青春18きっぷを使って中央本線を旅する答えを、

今目の前で教えられたような気がした。

 

あ~、出来るなら松本駅に戻ってやり直したい。

そんな事を気付かせてくれた、目の前の人に感謝したい気持ちだった。

結局、列車は落し物を乗せたまま、小淵沢を出た。

1つ目の駅を出たところで、さっきの車掌さんがやってきた。

 

僕が網棚の上を指差すと、

「あ~、これね。誰も言って来なかったら、甲府で降ろしますから。

多いんですよね~。この時期、大きな荷物を置いたまま乗り換えちゃう人。

いや~、助かりました。ありがとうございます!!」

 

車掌さんは、さっきと別人のような笑顔で車掌室へと戻って行った。

 

良かった。

僕の行動は間違いでは無かった。

 

間違っていない事は分かっていたけど、やっと落ち着けた。

 

車掌さんも忙しかったのだ。

そんな中で、温かく対応してくれてありがとう。

 

目の前の男性も「そうだったのか」という表情で、2杯目のワインを注いでいる。

 

 

全てが解決した気がした。

誰にも気付かれずに、勝手にしていた葛藤が納まった気がした。

 

外は雨が降り続いている。

急に睡魔が襲ってきた。我慢なんてしない。

 

ワインを飲んでいるつもりになって、僕は揺れの中で眠りについた。【おわり】

人見知りアナの鉄日記④

2015年10月08日 木曜日

 

ホテルに荷物を置きに行くのも面倒くさい。

とにかく晩ご飯じゃ。

 

 

駅前をふらつく。

店を選ぶのは楽しくもあるけど、不安もある。

 

 

気が弱いので、1人で入れる店が少ないのです。

36歳の男なんだから、居酒屋でもどこでも入れるのだが、

いつもドキドキしてしまう。

 

松本の夜に1人で店を探した事は、かれこれ10回はあるだろうか。

居酒屋のようなところに入った事は一度も無い。

 

 

同じ松本で仕事をしている仲間がオススメしていた焼鳥店を見つけた。

東京にも系列の店はあるので珍しくは無いのだけど、まあ良いか。

 

入り口から中を覗くと・・・こ、混んでる。

 

 

たちまちUターン。

 

周りを見渡すと、まだまだ居酒屋はある。

 

おしゃれなイタリアン、焼き肉、大衆チェーン店。

 

更にカレー屋、牛丼屋、コンビニ・・・。

 

まさか、って思うでしょ?

でも選択肢には入るんです。

 

この街では無いけど、

旅先でカレー屋にも牛丼屋にも入った事はあります。

 

松本に来たのに、コンビニのおにぎりで済ませた事もあります。

 

はぁ~、情けない。

 

重い荷物が気持ちを萎えさせるのかな・・・。

 

一度ホテルに戻るか。

あれっ?そういえば、ホテルの1階の居酒屋、

ラストオーダーが11時ってなっていたなぁ。

 

外の店に入るよりは気が楽かも。

どうせ何品も頼まないから、お酒をおつまみと締めのご飯をいっぺんに頼んで。

 

 

・・・決めた。

 

大股&早歩きでホテルへ向かう。

 

 

キャバクラの客引きが、次々に声をかけてくる。

そりゃ、そうだよな。

男が1人、半袖のワイシャツで大きな荷物を持っていたら

どう考えても遠くから仕事で来たと思われる。

 

こんな時くらいハメを外して・・・なんて思いそうなものだ。

 

僕に近付いてくる。

「お兄さ~ん、お店お決まりですか?」

 

聞こえそうな鼻息を立てて、僕が横切る。

相手の靴を踏みそうな勢いに、相手がひるむのが分かる。

 

すみませんね、お兄さん。

声をかけた相手が悪かったよ。

僕は腹が減っているんだ。

キャバクラに僕のお腹を満たすものは無いんだ。

 

そもそも、キャバクラに払う余分な金があったら

青春18きっぷで旅なんかしない。

・・・別に節約のためだけでも無いけど。

 

 

でも、僕は腹が減っているんだ。

バスに乗るのに待たされたんだ。

乗ったバスの運転手が道を知らなかったんだ。

 

たぶん僕を無理に止めたら、このストレスを全部キミにぶちまけるぞ。

 

 

あっという間に繁華街を抜け、ホテルの近くまで来た。

 

 

「ホルモン」

 

 

ちょうちんの文字が目に入った。

 

 

ホテルのすぐ隣り。

こんな店あったっけ?

 

気にした事が無かった。

 

 

でも1人焼き肉はなぁ。居酒屋でも入れなかったのに。

 

店の前まで行ってみる。

「松本ホルモン」

店の名前に地名が着くだけで、少し興味が湧く。

 

例によって、外から様子を伺う。

店が2階や地下なら、ちょっとハードルが上がるな。

 

中の様子が見えた。

カウンターだけの席が10席くらい。

焼き肉屋というより、バーのような佇まい。

 

そのカウンターの上に1人サイズの網が置いてある。

最近流行りの「1人焼肉」みたいだ。

テレビで見たのとは、この店の雰囲気は全然違うけど。

 

奥の席で男性が一人で何か食べている。客は1人のようだ。

メガネをかけたママさんが1人で切り盛りしているようだ。

 

もう店じまいだったら悪いな。

ドアを見る。「OPEN」の札は確かにかかっている。

 

10分くらい考えた。

よし!旅の恥はかき捨てじゃ!

思い切って、ドアを押す。

 

「いらっしゃいませ~」。

ママさんの声と共に、座っていた男性の声がハモって僕に返ってくる。

 

出た。

 

そのパターンか。

 

じゃあ、客は僕1人じゃん。

でもママさんの声の感じからして、まだ閉店までは時間があったようだ。

 

入ってしまうと、少し気が楽になる。

 

カウンターの真ん中から、少し入り口寄りに座る。

まずはビール。

 

せっかくだから、ホルモン屋らしいものを食べたい。

「ハツと、上ミノと、ハラミをお願いします。」

 

これで、後でビールのおかわりかご飯を頼めば充分だろう。

 

「ごめんなさ~い、ハツと上ミノは終わっちゃったんです。」

ガ~ン!!2/3ってかなりの不運だぞ。

 

実はほとんどのメニューが無かったりして。

 

「今無いのは、ハツと上ミノと・・・」

あと3つくらい言ってくれたけど、覚えていない。

 

肉のメニューは30種類くらいあるから、何とかなりそう。

僕はグルメじゃないので、「○○が無いならいいです。また来ます。」という事は

めったにしない。

 

でも、今年松本に来た時に同じような事があった。

 

その時は、長野らしいものがとにかく食べたくて、

最低でも馬刺しか、名物の山賊焼き(鶏の竜田揚げのようなもの)が食べたかった。

今日と同じように居酒屋にトライしようとしたが、

20分くらいグルグルしたあとに諦めた。

 

結局、駅前にあったカウンターだけの、飲めそうなうどん屋に入った。

外から「山賊焼」の文字が見えたから。

 

ビールと山賊焼を頼んだら、

「ごめんなさ~い!山賊焼だけ終わっちゃったんです。」

 

どうやら、僕は松本の名物に縁が無いようである。

 

まぁ、試合が終わって遅い時間になっている事もある。

それに1人で居酒屋に入れれば何の問題も無いんだけど・・・。

 

そんな事を考えていたら、ビールが出てきた。

肉は、ガツ・ハラミ・テッポウを注文。

 

ふぅ、一安心。

なんで晩ご飯食べるだけで、こんなに疲れるんだ。

 

ビールを置くと、ママさんはおもむろにホルモンの準備を始める。

それぞれ味付けも違うけど、大きな1人分のお皿に乗せてくれる。

 

ガス管が繋がった1人用サイズの網に火が入る。

お~!!何だかテンションが上がってきた。

記念すべき、初・1人焼肉。

 

あとは、ひたすら無我夢中で焼き、食べた。

ママさんは、必要な物を出したら、カウンターの一番向こうで

テレビを見ながら、さっきの男性とああだこうだ話している。

 

良かった。

こっちも気楽に食べられる。

 

こういう時、気を遣って僕の話し相手をしてくれようとするんだけど、

僕はこういう方が好き。

だって、ずっと前にいられると、こっちも気を遣って焼肉の味が分からなくなるから。

 

焼く、飲む。遠くからテレビを見る。

 

ビールを飲み終えたところで、焼肉がまだ半分以上残っている。

ビールをお代わりするか、ご飯を頼むか。

10分迷ってご飯とキムチを注文。

 

ママさんが「えっ?もうビール終わり?」っていうリアクションをしないか

すごく心配だったけど、全く無かった。感謝。

 

でも、運ばれてきたキムチが想像以上に多くて、ご飯とのバランスが合わない。

 

結局遅れて2杯目のビールも注文。

ホルモン、ご飯、キムチ、ビールの夢のコラボレーションを満喫。

 

結局、帰るまでママさんは余計な事を何も言わなかった。

人見知りには、一番の接客でした。感謝。

 

お礼に精一杯の気持ちを込めて

「美味しかったです。」と言って出てきた。

 

ホテルに戻って部屋に荷物を置いたら、2分後には大浴場へ。

大浴場と言っても5人入ればいっぱいになる湯舟。

でも、誰もいなかったので貸切状態。

 

部屋に入ったら、30分もしないうちに眠りに落ちていた。

 

翌・8月17日月曜日。

6時20分に起床。全ては計算通り。

 

7時48分発の信濃大町行きで出発する予定。

そのためには、7時からホテルの朝食を食べたい。

気ぜわしいのは嫌だ。

でも、せっかく泊まったんだから、朝風呂も。

欲張りな私です。

果たして、朝風呂も貸切状態であった。

5人分の風呂を独占。

 

意気揚々と部屋に戻り、カーテンを開けると・・・雨。

しかも本降り。雨の音が聞こえるくらい。

 

なんだよぉ。

これから信濃大町で先祖の墓参りをするのである。

お墓をきれいにして、お参りをして、

そして、もう1つのミッション。

 

以前行った時に気になっていた、隣りのお墓との間に茂った枝を切る。

 

そのために剪定ばさみまで持ってきたのです。

 

剪定ばさみを持ってサッカー場に行ったら、絶対に捕まるので、

昨日はちゃんとホテルに預けておいた。

そんなリスクと、重い思いをして持って来たのに・・・。

 

一瞬、このまま東京に帰ろうかと思う。

いや・・・結構長い間迷っていた。

 

でも、とりあえずご飯。

このホテルの名物の和定食は、茹でたての野菜がついてくる。

これに特製の味噌を付けて食べる。

うまい。

野菜の甘みがどんどん引き出されてくる。

ご飯がどんどん進む。

 

膳には立派な鯖の塩焼きや温泉卵もあるが、

主役は野菜。取り放題の野沢菜や赤カブの漬物。

きゃらぶきも絶品。きのこたっぷりの赤だしもある。

 

ご飯をたらふく食べてくれと言われているようなものだ。

 

そこへ、どんどんと人が入って来る。

昨日も今日もお風呂では誰にも会わなかったのに、

家族連れが次から次に朝食会場を目指す。

 

隣りで1人だったサラリーマンの男性。

4人がけのテーブルには、向かいにカップルが座って相席となった。

 

これは僕も時間の問題。

別に相席は良いのだけど、4人用の席を1人で独占するのが悪い。

 

ここも気が弱いんです。

 

結局、ご飯はお代わりせず。

大量の漬物はお茶と共に頂きました。

 

でも、ご飯1回くらいはお代わりしても良かったかな。

 

でも、お代わりのつもりで席を立った僕を見たら、

ホテルの人は「よしっ、席が空いた!」と思うだろう。

そして僕の手の茶碗を見て、「なんだ、まだいるのか」と落胆するはずだ。

 

いつもホテルの朝食会場では、こんなことが気にかかる。

だから、茶碗やお皿を持たずにお代わりを取りにいく場合(フルーツなど)、

ものすごく急ぎ足で取りに行く。「まだいますよ」オーラを出す。

 

結局、誰にも何も言われていないが、7分で朝食を済ませた。

 

おかげで、時間に余裕を持ってチェックアウト。

ここまで来たのにお墓参りをしないのも悔いが残るので、信濃大町へ向かう。

人見知りアナの鉄日記③

2015年10月05日 月曜日

 目の前にぶどうの実がなっている。

 

 

そうなんです。塩尻駅の3・4番線にはホームにぶどう棚があるのです。

この駅の中で比較的列車の数が少ないホームに作られたぶどう棚。

 

昔からその存在は知っていたけど、たわわに実ったぶどうを楽しめる時期に

こんな近くで見たのは初めてかも。

濃い紫と鮮やかな黄緑色の実が揺れている。

 

みんなで降りて撮影タイム。

 

松本山雅のユニフォームを着たサポーターも

名古屋のサポーターも降りてきた。

 

あれっ、いつの間に・・・。

 

 

出発する時に気付いたが、ぶどう棚は思ったよりも長かった。

車両の長さにして2~3両分はあった。

 

普通、こういう時ってメートルで説明するんですかね。

すみません、距離の感覚が全く無いんです。

 

実に有意義な「休憩」をして、いよいよ松本へラストスパート。

 

 

そろそろ本来の目的を見失いそうなところで、新宿から5時間。

14時ちょうどに松本駅へ到着。

 

 

まつもと~、まつもと~。

 

 

いつものアナウンスが響く。

これが松本に来る、最大の楽しみ。

 

味わい深い声なんです。機械だけど。

 

知りたい人は、調べてみてください。

たぶん、すぐ出てきます。

 

「鉄道音声遺産」があったら、真っ先に推薦します。

このアナウンスを変えたら、抗議します。

 

 

さて、この重い荷物をどうにか置きたい。

 

ホテルのチェックインは15時。

でも、それまで待つのも勿体無いなぁ。

 

 

気を利かせてホテルの人が

「よろしいですよ。もうチェックインして頂いて」

な~んて言ってくれないかなぁ。

 

とりあえず、駅から3分のホテルへ向かう。

 

 

フロントに行くと

「チェックインは15時からですが、荷物はお預かりしますよ。」

 

そうですよね。そうしましょう。

 

小分けに出来るバッグは持っていなかったので、

ビニール袋に入ったままのお墓参りセットと、お寺向けのお土産を預ける。

 

 

ふぅ~、身軽になった。

 

 

駅近くの喫茶店で、ココアフロートを注文。

アイスココアの上に、バニラアイス。大好きな組合せ。

 

落ち着く店の雰囲気。

間違ってもカフェではありません。喫茶店です。

 

 

ゆったりココアフロートを味わいながら、サッカーの資料を広げる。

 

ビジネスマン風に過ごしてみたかったんですが、

上に乗っていたバニラアイスが美味し過ぎて、1分で食べ切ってしまった。

 

やっぱり、僕にはビジネスマン風の行動は無理だった。

というか、ビジネスマンは「ココアフロート」とか頼まないか。

 

 

こういうお店で1時間くらいかけて仕事をするって出来ない。

なんだか「あいつ、嫌な客だなぁ」って思われている気がして。

 

周りが空いていても、出来ない。

「あいつさえ帰ったら休憩できるのに」って店員さんに思われている気がして。

 

結局、資料は見たけど滞在時間15分。

 

でも、ココアフロートはすごく美味しかったです。

次に来たら、また寄ります。

 

 

すぐ近くから松本山雅の本拠地「アルウィン」へのシャトルバスに乗る。

まだ試合開始まで4時間近くあるのに、緑色のレプリカユニフォームを来た

松本山雅のサポーターが列を作っている。

 

毎回、ここに来ると感動する。

世代が幅広い。

親子はもちろん、3世代のサポーターも珍しくない。

 

幼少期から親戚がこの近くに住んでいたので、松本は馴染み深い街だった。

その松本の街に、こんなパワーが隠れていたのか。

 

感慨深い。

 

そして頻繁に出発するシャトルバスは無料。

アルウィンまで30分かかる立地とはいえ、立派だと思う。

 

窓側の席に座ると、後から乗ってきた年配の男性が

 

「こちら、よろしいですか。失礼します!!」

 

と体育会系の見本のような挨拶で横に座った。

あまりの迫力に「は、はい・・・」としか言えなかった自分が悔しい。

 

気持ちの良い挨拶には、気持ちよく返したい。

 

30分ほどでアルウィンへ。

 

 

 

 

今年3度目の松本山雅の実況は、0-1。

猛攻を見せたけど、結局及ばなかった・・・残念。

勝ちたかったな。

 

でも、今年も楽しく中継出来ました。

ご縁を頂いた事に感謝・・・来年もご縁がありますように。

 

 

さぁて、ここからが問題。

帰りのシャトルバスで松本のホテルに戻るまでが、毎回ひと苦労なんです。

松本駅行きのバスは便数が多いけど、乗るまでに毎回1時間半近く待つ。

それだけの長い長い行列が出来る。

 

前回は、途中で諦めて「塩尻駅行き」の列に移ったら、少し早く帰れたんだっけ。

でも、塩尻から松本に向かう列車が、なかなか来なかった。

 

でも、せっかちな僕は、早くバスに乗りたい人なんです。

 

というわけで、今回は最初から「塩尻駅行き」のバス乗り場へ。

松本行きのバスは、今日も長蛇の列。

その横を抜けて、塩尻行きは・・・お~!人が少ないじゃん!

 

さっそく並ぶ。

目の前に止まっているバスに乗れるかと思ったが、10人ほど前で満員。

「この感じなら、次もすぐ来るだろう」と思いながら、見送る。

 

 

 

・・・・・来ないんだ、次のバスが。

駐車場には次々にバスが入って来るが、どんどんと「松本行き」の乗り場に向かう。

 

それはいい。松本行きの方が圧倒的に人は多いのだから。

他に、近くの駐車場までのシャトルバスもいる。

 

 

でも、10分経っても、20分経っても、塩尻行きの乗り場にバスは回って来ない。

1台くらい・・・1台くらい回しても良いんじゃない?

 

 

さらに30分経過。さすがに、みんなイライラしてきた。

しびれを切らせた人が、スタッフに尋ねている。

 

 

様子を見る限り「まだ分かりませんねぇ」みたいな会話になっているようだ。

 

 

そこにスタッフの上司っぽい人がやってきて、何か話し始めた。

すると、次に入ってきたバスが、こちらにやってきた。

 

 

はっ?!

 

そんなに簡単に・・・?

 

もう色々考えるのは止めた。イライラしても仕方ない。

これでホテルが近付いたのだ。晩ご飯が近付いたのだ。

 

ホッとしたらお腹が鳴った。

 

太ももを蚊に刺されているのに気付いた。急にかゆい。

 

 

結局、トータルで1時間待ってようやくシャトルバスが出発。

塩尻駅までは30分の道のりだ。

 

アルウィンの周りではいつも渋滞が激しい。

でも、バスに乗れたことで、気持ちが落ち着く。

 

 

 

後ろの席のカップルの話し声が聞こえてくる。

 

「え~?伊勢神宮に行った事無いの?今度行こうよ~。」

あれっ?まだ友達の関係なのかな。

 

「ねぇねぇ、まだ着かないのかなぁ~。お酒が抜けちゃうよ~」

はいはい、気持ちは分かるけどね~。

ちょっと声を小さくしても、隣りの女の子には聞こえると思うぞ。

 

「あっ、そうだ。心理テストやろうか?面白いんだよ~。」

心理テストは良いけど、その声の大きさだと、

テストを受けるのがバスの乗客全員になっちゃうぞ・・・。

 

 

それにしても、きょうは道が混んでいる。いつまで経っても渋滞を抜けない。

 

 

後ろから男性が歩いてきた。運転手に文句を言うのかな。

 

嫌だなぁ、密室の空間で。

 

「運転手さん、さっきの道で右に曲がった方が速かったんだよ。」

良かった、とりあえず穏やかな話しぶりだ。

 

「すみません、会社に言われて決まったルートしか走れないんですよ。」

ふ~ん、そういうものなのか。

まぁ、それぞれのバスが勝手な道を走ったら大変だもんね。

 

 

それから20分。おもむろに運転手がマイクを持つ。

「え~、先ほどのお客さん。前に来て頂けますか?」

 

 

何?今さら反撃?止めてよ~、バスの中でケンカとか・・・。

 

男性がやってくる。まだ山雅のユニフォームを着ている。

 

 

「すみません、会社の許可が取れたので、駅まで案内してもらって良いですか?」

 

へっ?!案内??

ていうか、最前列で聞いていたけど、そんな無線の会話、全く聞こえなかったぞ?!

 

 

確かに急に「塩尻行き」になったのかもしれないけど、それでも地元の道でしょ?

 

「どうぞ、そのガイドの席が引き出せますんで。」

 

観光バスのガイドさんが座る折りたたみ式の椅子に、なぜかサポーターが座る。

 

 

「次の交差点を右・・・」男性がテキパキと指示を始める。

渋滞を抜けて、少し細い道を走り始めた。

観光バスが通るサイズにしては不安だけど、とにかく道が空いている。

スイスイ行く。

 

「ほぉ~、そうなんですか~。」

いやいや、運転手さん、感心している場合じゃないって。

 

「このまま、塩尻に着くまで、そこにいてもらって良いですか?」

めっちゃ明るい声。

 

ツッコミどころが満載だけど、早く着いて欲しい気持ちに勝るものは無い。

サポーターさん、すみません。このバスの事を任せます。

 

 

「え~、何コレ?!いつ着くの~!!」

後ろのカップルは黙っていなさい。

 

 

それから30分ほど、一度も渋滞にはまる事無く、塩尻駅に到着。

サポーターさん、本当にお疲れさまでした!!

 

到着間際に運転手さんが一言。

「それで、いつもは塩尻駅のどの辺にバス止めています?」

マジか?!

 

 

結局、試合が終わってから2時間が経過。ようやく塩尻駅に到着。

 

松本行きの普通列車が、すぐにあった。

ホームに降りるが、出発する気配が無い。

 

「先に発車する特急が遅れているので、この列車も出発が遅れます。」

 

 

今度は列車か。

 

良いって。

もう驚かないって。

松本に着いてくれれば、充分だって。

 

 

松本に着いたら、夜の10時半になっていた。

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