様々な物が便利になる中で、なかなかそれを使いこなせていない僕ですが、

便利になって良かったと思うことの中に、ネット通販で本を探せる、というのがあります。

「この人に関する本が読みたい」と思って本屋さんで探してもらうと、大抵は

「出版元にも残っていません」と言われる事が多いのです。

 

でもネット通販で調べると、必ずと言って良いほど、そんな本が見つかる。

・・・前置きが長くなりましたが、そんな経緯で読みたかった本を手に入れ、読む事ができました。

 

ニュースキャスターの久和ひとみさんを、覚えていますか?

僕の印象では、「JNN ニュースの森」のキャスター、

そして「TXN ニュースアイ」のキャスター、という印象です。

先日ふと、久和さんについての本が読みたくなり、3冊を読みました。

 

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久和さんがアナウンサー出身では無い事を、僕はこの本で知りました。

アナウンサー受験に失敗、しかしCNNの番組のキャスターオーディションに合格し

そこからニュースキャスターとして走り続け、40歳の若さでこの世を去った久和さん。

 

僕が番組を見ていて持った久和さんのイメージは、沈着冷静そのもの。

でも本に出てくる様々なエピソードからは、もっと人間味に溢れた「おちゃめ」な、

それでいて、何事にも一生懸命な久和さんの人柄が伝わってきます。

 

学生時代から市民運動に力を入れ、その中で、ある政治家の選挙運動を手伝い

そこから「世の中を良くしたい」という思いを力にしていった久和さん。

その政治家は今の総理大臣。このところの、窮地に追いつめられている状況を見て

久和さんが生きていたら、どのように感じたんだろう。

 

そんな市民運動を共にした「戦友」である下村健一さんの弔辞が

本の中で紹介されています。久和さんの、キャスターとしてだけではない

「真っ直ぐさ」が、ユーモアを交えて温かく語られていて、それがかえって涙を誘います。

 

久和さんが去って、あと半月でちょうど10年。もう、そんなに経つんだ・・・と驚くと同時に

この時期に久和さんの本を読もうと思い立った偶然にも、不思議な縁を感じました。

 

筑紫哲也さんは、帯の中で「これからはニュースキャスター志望者が現れたら

まずこれを読みなさいと私はすすめる」と書いています。

この言葉の「ニュースキャスター」を、更に広げて「伝え手」とも

言えるのではないかと思います。我が家の本棚に残し続けて行くであろう本が

また増えました。