「ムーブ!」
2010年10月06日
久しぶりに、読んでいて武者震いのする本に出会った。
大阪のABCで4年半にわたって放送された
報道情報番組『ムーブ!』の足跡をたどったドキュメント。
今でこそ『ミヤネ屋』という有名な番組が出来て、
大阪から全国に発信する情報番組もある事を認識するようになった人も多いように思う。
しかし『ムーブ!』は、その何年も前に関西ローカルという制限の中で、それに挑戦をした。
今までやった事の無い試みばかり。
限られた予算の中で、東京からコメンテーターを呼び、
それまでの出演者やコーナーの傾向と一線を画した番組を作り上げた。
いつしか『東京には出来ない』番組を作り、タイトル通りのムーブメントを起こした。
僕も番組の事は知っていた。
テレビ好きの僕は、思い付きで地方に旅に出る事がある。
目的は食でも景色でも、鉄道でも無い。
その土地でしか見られない番組を見るためだ。
その中で、北海道と並んで僕の興味をそそるのが関西。
ただ、その目的は関西ならではのバラエティー色の強い情報番組であったのだ。
ABCの『おはよう朝日です』であり、MBSの『ちちんぷいぷい』であり・・・。
だから、『ムーブ』を初めて見た時は、『ワイドABC』と随分変わったなぁ。
東京並みのコメンテーターを呼ぶのはすごいけど、
東京の番組は大阪でもネットしているし、どう差別化させるんだろう』と思った。
東京と同じ人を出して、同じクオリティーにするには何倍ものお金と労力がいる。
しかし『ムーブ!』は独自の視点と徹底した取材力、
そして『東京では、ここまでの事は言えない』とコメンテーターに感じさせるほどの
内容の濃さと情熱で、出演者の士気をも高めていった。
『東京を超える番組』にしていった。
僕もいつか、こういう番組に携われたら、と思う。
負け惜しみでも何でも無く、こういうチャレンジ精神のある番組は
東京ではなかなか出来ないと思うから。
そして番組に関わる人の役割が大きく責任が重いほど、
隅々までこだわった『魂のこもった番組』が出来るチャンスがあるのだと思った。
また、将来の目標が増えた。
P.S.巻末に掲載されている、番組の人気コーナー
「勝谷誠彦の知られてたまるか!」の店舗情報も必見!!
勝谷さんと番組キャスターが本気で飲む。
そして、お店の名前も場所も教えない!!という無茶苦茶なコーナー。
しかも、コーナーを誌上再現すると、まるで漫才のような掛け合いに。恐るべし!!