突然ですが!!今月は個人的な「落語強化月間」でございます。

その名の通り、落語をたくさん聞きに行きます。

前回のブログで「今月から慌ただしくなる」と書いておきながら、ですが・・・。

でも僕の場合は、仕事が忙しい時ほど、空いた時間にも

いろんな予定を入れないとダメなんです。こういう感覚、分かってもらえるかなぁ。

空いた時間に体を休めるよりも、心の栄養を摂った方が頑張れるんです。

 

そんな強化月間の第1弾、舞台は浅草です。

といっても、毎度お馴染みの演芸ホールではなく、すぐ近くの「浅草公会堂」

 

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昨年から続いてきた、笑福亭鶴瓶師匠のJAPAN TOUR 「WHITE」の千秋楽。

しかも、その相手が柳家喬太郎師匠とあっては、どんな事をしてでも行きたい!!

というわけで、オークションで少々のお金を出してチケットを1枚ゲットし行ってきました。

このシリーズは、昨秋の桂南光師匠の回も見ていたので、

その時の事を思い出しながら、違いを楽しみに会場へ。

 

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まずは開演と同時に、鶴瓶師匠が洋服で登場。この「WHITE」の恒例、

いきなり落語ではなく、一人語り。つまり「フリートーク」というところが

いかにも鶴瓶さんらしい。いきなり喬太郎さんについて「あいつの考える事オカシイで」と

最高の誉め言葉を繰り出し(笑)、自身は千秋楽の最後に

自慢の”私落語”「青木先生」を披露すると予告し、会場が盛り上がります。

 

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そしていよいよスタート。中入りを挟んで、それぞれが2席ずつ。

 

まずは喬太郎師匠が、左甚五郎旅日記から「竹の水仙」。

甚五郎もの、というと僕の中では立川志の輔師匠の「ねずみ」が

大のお気に入りなんですが、喬太郎師匠がやると

人物のキャラクターが予想しない方向に「ぶっ飛ぶ」んですね〜。

甚五郎が作った竹の水仙を、恐る恐るお代官の所に売りに行く貧乏宿の主。

しかし、一緒に付いていった長屋の主は、宿主が裁きを受けると思い込んでいるものだから

なかなか話を前に進ませない。

すると、お代官が「うるせぇ〜んだよ!!お前、うぜえんだよ!!」(笑)

本当にこんなお代官いたら面白いなあ。これぞ、喬太郎(キョンキョン)ワールドです。

 

続いての鶴瓶師匠は、泥棒が盗みに入った家の女に逆にだまされ

お金を取られてしまうという「転宅」。東京ではよく聞くんですが

鶴瓶師匠がやると、街の風景も変わってくるから面白い。

 

中入りを挟んで、喬太郎師匠は三題噺から作られた新作落語「母恋くらげ」

海の生き物に人格を与え、ユーモラスに描きます。

小さい子どもさんが初めて聞いても、素直に楽しめるんじゃないかなあ。

一生懸命にタコやイカ、クラゲと演じていきながら、途中で「古典じゃなくてゴメンネ」と

一言加えるタイミングの良さに、会場中が割れんばかりの大爆笑!!

最高の形でフィナーレへ。

 

そして鶴瓶師匠の「青木先生」。高校時代の実話を基に作られた代表作。

僕は5回目くらいですが、何度聞いても笑えます。最後に少しジーンとして・・・。

こんな先生いたなあ・・・と、みんなが共感できる噺。

鶴瓶師匠自身が以前に言っていた「新作落語とテレビのトークの中間」、

まさに鶴瓶師匠にしか出来ない「私落語」というジャンルがピッタリの噺です。

鶴瓶師匠のツアーのファイナルには、やっぱりコレだよな、と納得しました。

 

しかも今回は、エンディングで2人揃ってのトークというおまけ付き。

喬太郎師匠が噺から離れるとシャイになるところを、

鶴瓶師匠が盛んにいじっていたのが、余計に笑えました。

予定を超えた3時間近い口演。

浅草の一角が、平日の昼間とは思えない熱気に包まれました。

この2人のコラボ、今度はどんな形で見られるのかなぁ。